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ニュース

【通信5月】65歳以降在職老齢年金 支給停止調整額の引き下げ【年金】


 平成29年度以降の厚生年金保険の在職老齢年金に関して、60歳台前半(60歳~64歳)の「支給停止調整変更額」と60歳台後半(65歳~69歳)・70歳以上の「支給停止調整額」を法律に基づき引き下げられました。


『平成28年度まで: 47万円 → 平成29年度以降 : 46万円 』

  〈補足〉60歳台前半の支給停止調整開始額(28万円)については変更なし

*在職老齢年金計算例: 65歳から 老齢厚生年金10万円 + 老齢基礎年金6.5万円 の場合


支給停止調整額46万円 – 老齢厚生年金10万円 = 標準報酬額 36万円(月額相当)

までは老齢厚生年金が満額支給されることになります。在職老齢年金の計算には、老齢基礎年金は含まれません。標準報酬額とは、「標準報酬月額+賞与1年間の合計/12」となります。

上記例で標準報酬額が36万円を超えた場合には、計算式により老齢厚生年金が減額されることになります。65歳以降も雇用されて働く場合に、会社によってはフルタイムだけでなく短時間勤務や隔日勤務など働き方も多様化されているため、老齢厚生年金と給与との関係を参考にしながら働き方を考える人が多くなっています。

【通信5月】子ども・子育て拠出金の引き上げ【社会保険】


 平成29年4月以後の月分の子ども・子育て拠出金について、その拠出金率の引き上げが行われています。

 ●平成29年3月分までの子ども・子育て拠出金率……0.20% (1,000分の2.0)
 ●平成29年4月分からの子ども・子育て拠出金率……0.23% (1,000分の2.3)

Q:当社には子育て中の社員はいないが、子ども・子育て拠出金が口座から引き落とされているのはなぜ?

A:子ども・子育て拠出金は、厚生年金保険の被保険者を使用する事業主が、全額負担し納付する拠出金。
本年4月分(5月納付分)以降の納付額を計算する際、率の変更に注意しましょう。

【通信5月】注目!65歳超雇用推進助成金(平成29年5月1日~)【助成金】


 助成金は、計画→実行→申請と3段階を踏むのが通常ですが、65歳超雇用推進助成金は就業規則を変更し従業員に周知し、労働基準監督署に届出後、申請をすることになります。
 実態がすでに65歳超の従業員が多いにもかかわらず、継続雇用制度65歳までとなっている就業規則の会社はありませんか?そんな会社にお勧めです!

支給額
(単位:万円)
65歳へ
定年引上げ
66歳以上へ
定年引上げ
定年廃止 66~69歳の
継続雇用の
引き上げ
66~69歳の
継続雇用の
引き上げ
↓対象被保険者数 5歳
未満
5歳 5歳
未満
5歳
以上
4歳
未満
4歳 5歳
未満
5歳
以上
1~2人 20 30 25 40 40 10 20 15 25
3~9人 25 100 30 120 120 15 60 20 80
10人以上 30 120 35 145 145 20 75 25 95

 

対象被保険者とは支給申請日の前日において、1年以上雇用されている60歳以上の被保険者のこと。
就業規則は改訂前、改訂後の両方の添付が必要です。ご不明な点がありましたら、ご相談ください。

【通信5月】平成29年4月から見直しが行われた助成金【助成金】


 雇用保険二事業の助成金は予算の成立により、毎年改正があります。厚生労働省のHPに詳しく掲載されていますが、見直しが行われた助成金を表にしてみました。
 次の助成金等について、新たなコースの新設、コースの整理統合、支給額の見直しなどが行われています。

1. 労働移動支援助成金
2. 65歳超雇用推進助成金
  〔高年齢者雇用安定助成金の内容も統合〕
3. 特定求職者雇用開発助成金
4. トライアル雇用奨励金
  〔トライアル雇用助成金に名称変更〕
5. 地域雇用開発助成金
6. 両立支援等助成金
7. 人材確保等支援助成金
8. キャリアアップ助成金(人材育成コース除く)
9. 障害者雇用促進等助成金
10. 生涯現役起業支援助成金
11. 人事評価改善等助成金〔新設〕
12. キャリア形成促進助成金
  〔人材開発支援助成金に名称変更〕
13. キャリアアップ助成金(人材育成コース)
14. 指定試験機関費補助金
15. 障害者職業能力開発助成金
16. 認定訓練助成事業費補助金
17. 建設労働者確保育成助成金

【通信4月】経営者家族の該当条件と中小事業主特別加入【労災保険】


 もうすぐ、労働保険の年度更新の時期が来ますね。
 労災保険は業務上や通勤の怪我や疾病等に対して保険給付を行うものです。私傷病を対象とした健康保険よりも手厚い補償となっているため、できれば経営者もその家族も加入したいと考えるのですが、加入には条件や特別加入という方法があります。


【一般の労災保険】

一般の労災保険には経営者は加入できないが、経営者の家族の場合、以下の条件により加入は可能。
1. 役員でないこと
2. 経営者と住所が同じではないこと
3. 家族だけでなく、他人の従業員がいること
4. その従業員と同じ労働をしていること (経営者の指揮命令に従っていること)

【中小事業主の特別加入】

一般の労災保険に加入できない経営者や役員は、特別加入の制度がある。
休業補償給付等は自分で決めた日額となり多少補償内容は異なるが、療養費(治療費)は同じく100%補償される。この特別加入は、経営者または役員といえども、従業員と同じような仕事をこなしている場合に労災保険が適用される。

【通信4月】現物給与の価額が4月改正【法改正】


 労働保険徴収法における賃金、健康保険法・船員保険法・厚生年金保険法における報酬又は賞与について、その全部又は一部が通貨以外のもので支払われる場合、その価額は、「厚生労働大臣が定める現物給与の価額」に基づいて決定されていますが、その価額が改正されました。


◆◆ 平成29年4月からの厚生労働大臣が定める現物給与の価額 ◆◆

都道府県名 食事で支払われる報酬等
(今回改正があったのはこの一部:   の部分)
1人1月当たりの住宅の利益の額(1畳につき)
1人1月当たりの
食事の額
1人1日当たりの
食事の額
1人1日当たりの
朝食のみの額
1人1日当たりの
昼食のみの額
1人1日当たりの
夕食のみの額
埼 玉 19,800円 660円 160円 230円 270円 1,750円
千 葉 19,500円 650円 160円 230円 260円 1,700円
東 京 20,100円 670円 160円 230円 280円 2,590円
神奈川 20,100円 670円 160円 230円 280円 2,070円


例)食事の現物支給

東京の会社でお弁当(昼食)を20日分提供し、社員から1,500円徴収している。
標準価額:230円×20日=4,600円     標準価額の3分の2≒3,067円
社員からの徴収が標準価額の3分の2未満のため、4,600円-1,500円=3,100円を報酬に加算する。
社員からの徴収が3,067円以上であれば、現物給与はなかったとして取り扱われる。

【通信4月】コンビニでアルバイトの欠勤に課題なペナルティ【労基法】


 大手のコンビニエンスストアの加盟店における労働基準法違反が2件発覚し、報道各社によって大々的に取り上げられました。発覚のきっかけは、SNSと家族による本部への通告だったとか。
 経営者は、労基法による基本的なルールを知らなかったではすまないのです。


制裁による減額は、一賃金支払い期間における賃金総額の10分の1を超えてはいけない!


● 事件1:月のバイト代23,000円の高校生に、9,350円の制裁減給

 本年1月末ごろ、大手コンビニエンスストアの加盟店において、風邪でアルバイトを10時間欠勤した高校生に対し、欠勤分を減額した給料からさらに10時間分が差し引かれ、給与明細には「ペナルティー10時間分9,350円」と手書きされた紙が貼られていた。

<労働基準法第91条(制裁規定の制限)>
就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない。

*上記の事案では、高校生のその月分のバイト代総額は23,000円で、制裁減給の上限は2,300円程度(バイト代総額の10分の1)です。そもそも、風邪で休んでも制裁に該当させるのは無理があります。

欠勤1回1万円の罰金?


● 事件2:罰金1万円の損害賠償額を予定する契約を結ばせた

 本年2月には、急な欠勤に罰金を科す違法な契約をアルバイト店員に結ばせた容疑で、大手コンビニエンスストア加盟店の経営者が書類送検された。警察の調べによると、加盟店は、アルバイト店員の男女5人に、「急に欠勤した場合は1回1万円の罰金を徴収する」という内容の書類に署名させていたとのこと。

<労働基準法第16条(賠償予定の禁止)>
使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

〈補足〉この規定について、「現実に生じた損害について賠償を請求することを禁止するものではない(昭和22年発基17号)」という通達が発出されている。
 簡単にいうと、“あらかじめ罰金などを決めておくことはダメ”ということ。上記の書類送検の事案は、この規定違反の典型といえる。

人手不足の業界であるコンビニで、急な欠勤は現場の責任者にとって頭の痛い問題だったことでしょう。しかし、法律違反または行き過ぎた処罰は退職を招き、さらに人手不足を招く職場になりかねません。常日頃からコミュニケーションをとり、助け合える働きやすい職場にしたいものですね。

【通信3月】勤務間インターバル導入コース【助成金】


 職場意識改善助成金に勤務間インターバル導入コースが新設されました。勤務間インターバルとは、勤務終了後、次の勤務までに一定時間以上の「休息時間」を設けることです。働く人の生活時間、睡眠時間を確保し、過重労働の防止とするものです。

*休息時間数が9時間以上の勤務間インターバルを導入すること

新規導入 適用拡大等
休息時間数 補助率 1企業あたりの上限額 補助率 1企業あたりの上限額
9時間以上
11時間未満
3/4 40万円 3/4 20万円
11時間以上 3/4 50万円 3/4 25万円

 

本来は9時始業のところ、インターバルにより11時始業となった場合、基本的には終業時間を2時間遅らせるのではなく、労働の免除をすることになります。
現在のところ勤務間インターバルは法律の義務はないため無給としていいのですが、法の主旨から考えると有給とするのが望ましいでしょう。

【通信3月】賃金台帳の調整【労務実務】


 法定3帳簿の一つに「賃金台帳」があり、事業所は必ず調整しなければなりません。労働日数、時間外労働時間、休日労働時間等がわかり、賃金の計算を明確にしておくためです。労働保険や社会保険の手続きには欠かせない帳簿です。


◆賃金台帳のポイント

1.労働日数
出勤日と有給休暇の合計とします。有給休暇は労働したとみなすため。
使用者が自ら現認することにより確認し、適正に記録すること。

2.休日労働
定休日のこと。土日休みの会社の場合、一般的には日曜日を法定休日としているところが多い。
この場合、土曜日出勤は休日労働ではなく、時間外労働として計算する。

3.所定外労働時間と法定外労働時間
一日の労働時間が7.5時間の会社の場合、7.5時間超~8時間までが所定外労働時間、8時間超が法定外労働時間となる。時間外割増は、法定外労働時間からとする場合には、賃金台帳には分けて記載する。

【通信3月】労働時間の適性な把握 ガイドライン【労働法】


 厚生労働省は「過労死等ゼロ」緊急対策の取り組みを行っていますが、その一環として「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」が平成29年1月20日に公表されました。
 このガイドラインは、従前からある通達「労働時間把握の基準」をベースに大手広告代理店の過労自殺事件で問題になった事項を勘案して、内容の追加・補強を行ったものです。


◆ガイドラインのポイント


●使用者は、労働時間を適正に把握するため、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、記録する

1.使用者が自ら現認することにより確認し、適正に記録すること。
 *原則は現認する。使用者は自ら、社員の始業・終業を確認する。

2.使用者が現認できないときには、タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等により確認し、適正に記録すること。
 *時間外勤務は、使用者の業務命令によるものであり、必ずしもタイムカードの打刻時間と就業時間は同じではないが、適正に記録する。

3.自己申告制により行わざるを得ない場合、使用者は、労働者や労働時間の管理者に対して十分な説明を行うとともに「自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、必要に応じて実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をする」などの措置を講ずること。
 *今回のガイドラインでは、自己申告制について、タイムカード等の記録と自己申告による労働時間との乖離が著しい時には補正することを求めている。


●時間外労働に関する労使協定(36協定)と実態との一致確認

 実際には延長することができる時間数を超えて労働しているにもかかわらず、記録上これを守っているようにすることが、慣習的に行われていないかについても確認すること。


●賃金台帳を調製し、労働者ごとに、労働日数、労働時間数、休日労働時間数、時間外労働時間数、深夜労働時間数といった事項を適正に記入

 賃金台帳にこれらの事項を記入していない場合や、故意に虚偽の労働時間数を記入した場合は、労働基準法に基づき、30万円以下の罰金に処されること。

【労働時間の考え方と自己申告制における必要な措置】
労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間であり、準備行為や後始末、待機時間、業務に必要な研修も該当します。今回、特に補強されたのは自己申告制による労働時間管理です。タイムカードやパソコンの使用時間記録と自己申告の時間との乖離が著しい場合に実態調査が必要です。
必ずしもすべてが労働時間ではないとしても、把握することが重要なのです。