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ニュース

【通信11月】子ども・子育て支援金制度と給与控除【健康保険】


 令和6年に「子ども・子育て支援法」が成立し、その支援の一つとして雇用保険における出産後休業支援給付および育児時短就業給付の創設が行なわれましたが、その財源は子ども・子育て支援金等が充てられることになっています。その内容を確認しておきましょう。


子ども・子育て支援金は医療保険料とあわせて徴収

● 令和8年度から令和10年度のかけて段階的に構築される
● 令和8年4月給与から、企業において健康保険加入者が負担する
● 支援金は給与から、健康保険料とあわせて控除する
● 控除の支援金率は政令で定める率の範囲内で健康保険組合が定める
  (総報酬割であることを踏まえ、実務上国が一律の率を示すとしている)

【支援対象】
1.出産・子育て応援給付金の制度化(妊婦支援給付金)令和7年4月~
2.共働き・共育て経済支援(出産後休業支援給付および育児時短就業給付)令和7年4月~
  国民健康保険第1号被保険者の育児期間中保険料免除 令和8年10月~
3.こども誰でも通園制度(乳児等支援給付)令和8年4月~
4.児童手当 令和6年10月~
5.子ども・子育て支援特例公債の償還金等

 こども家庭庁が少子化対策の抜本的強化のため創設した支援制度です。社員の給与から支援金を控除することになりますので、令和8年4月の給与計算から影響があります。今後決定される子育て支援率はおさえておきましょう。

【通信11月】協会けんぽ電子申請令和8年1月13日開始予定【健康保険】


 協会けんぽでは、傷病手当金支給申請書等の給付関連申請書や特定健康診査受診券(セット券)申請書などの保健関連申請書の電子申請が令和8年1月13日から開始予定です。
 利用の手順、アップロード必用書類など、まだ準備中のものもありますが、協会けんぽ電子申請特設ページで確認をしてみましょう。主なポイントを下記に挙げました。


電子申請サービス利用対象者は、加入者(社員)、被扶養者、社労士

●本来、健康保険の給付等申請者は加入者(社員)と(社員の)被扶養者となっています。提出代行ができるのは社労士であり、事業主が含まれていません。

●この原則に基づき、電子申請サービスが利用できるのは、加入者、被扶養者、社労士となります。

●今まで、事業主が社員に依頼されて申請をしていたケースもあると思います。今後は電子申請の案内を行なうといいでしょう。令和8年1月下旬にはスマホアプリをリリース予定だそうです。


●電子申請対象書類
傷病手当金支給申請書、出産手当金支給申請書、出産育児一時金支給申請書、高額療養費支給申請書、
埋葬料(費)支給申請書、療養費支給申請書(立替払等)、療養費支給申請書(治療用装具)、任意継続資格取得申出書、特定健康診査受給券(セット券)申請書、特定保健指導利用券申請書 他

 やっと協会けんぽも電子化となるようです。電子申請が出来るようになると、郵送などにかかっていた手間、時間、郵便代が削減できるとしています。ただ、電子申請のスタート時は混乱が起きることが多いので、少しの間は様子を見つつ移行していくのがいいのかもしれません。

【通信10月】10月は「年次有給休暇取得促進期間」【労務】


 厚生労働省は、毎年10月を「年次有給休暇取得促進期間」と位置づけ、労働者の年次有給休暇取得を促進するための広報・啓発活動を展開しています。
 年次有給休暇の取得率は約65%にとどまっており、政府は2028年度までに70%の達成を目指しています。企業においては、促進期間を一つの機会として、取得率向上に向けた取組みが求められます。

年次有給休暇の年5日取得義務の確実な履行
 労働基準法の改正により、2019年4月から使用者は年次有給休暇が10日以上付与される労働者に対し、5日の年次有給休暇を取得させる義務を負っている(労働基準法第39条第7項)。
 この義務は、雇用形態にかかわらず該当するすべての労働者が対象。取得義務を果たしていない場合には、労働者一人あたり30万円以下の罰金が科されることもあり、法令を遵守した確実な管理が求められる。年次有給休暇の取得促進には、「年休の計画的付与制度」や「時間単位年休」の活用も考えられる。

法定帳簿(労働基準法で規定された4帳簿)
(1)年次有給休暇管理簿
 労働者ごとに作成する必要あり
 取得日、付与日、日数

(2)賃金台帳
 事業所ごとに作成する必要あり

(3)労働者名簿
 事業所ごと、労働者ごとに作成する必要あり

(4)出勤簿(労働時間を記録)
*いずれも保存は3年間
各種調査や手続き等で必要になる帳簿

【通信10月】65歳以上の就業者数、過去最高【労働環境】


 総務省統計局から「統計からみた我が国の高齢者―「敬老の日」にちなんでーが公表されました。65歳以上の人口は3619万人と前年に比べ5万人の減少をしていますが、総人口に占める割合は29.4%と過去最高になっています。65歳以上の就労も進んでいます。主な統計に内容を見てみましょう。

高齢者の就労(労働力調査)より

● 65歳以上の就業者数は、21年連続で増加し930万人と過去最高
● 就業者総数に占める65歳以上の就業者の割合は13.7%と過去最高
● 65歳以上の役員を除く雇用者に占める非正規雇用の割合は76.9%
● 「医療・福祉」の65歳以上の就業者は10年前の約2.3倍に増加

 高年齢者雇用安定法では、70歳までの就業確保措置は努力義務としていますが、労働力不足を心配される中、高齢者の就業環境を整備していくことが求められています。上記の調査結果からも高齢者雇用が進んでいることが分かりますね。

【通信10月】「配偶者手当」の検討を依頼(厚労省)【労務】


 配偶者の収入要件がある「配偶者手当」は女性パートタイム労働者の就業調整の要因になっていると指摘されています。配偶者手当の支給要件が扶養の範囲となっている場合には、「配偶者手当」の在り方について労使で真摯な話し合いをして欲しいというリーフレットを作成し、「配偶者手当」の検討依頼をしています。


「配偶者手当」を支給している事業主様へ(リーフレット)主な内容

●令和7年度税制改正により、 所得税法のおける扶養基準は103万円から123万円に、配偶者特別控除の対象となる配偶者の給与収入の上限は、150万円から160万円へと引き上げとなる。「配偶者手当」の支給要件はどうなっているかを就業規則(賃金規程)等で確認してみよう。

●「配偶者手当」の見直し
 1.支給基準の見直し
 (1)支給基準を103万円から123万円に引き上げ
 (2)配偶者の収入による制限廃止

 2.配偶者手当の廃止
 (1)他の手当等に賃金原資を振り分ける
   例)こども手当の増額 基本給への組み入れ


国家公務員は配偶者手当の廃止とこども手当増額に


配偶者手当の段階的廃止にあわせて、こども手当を段階的に増額している。
自治体でも見直しが進んでいる。

 賃金規程等に「税法上の控除対象配偶者」の意味で103万円未満の収入と記載がある場合には、規定の改訂が必要になります。あわせて、社員の配偶者が就労調整をしなくてすむ支給要件を検討してみませんか。賃金総額を変えずに改訂している事業所が多いようです。

【通信9月】最低賃金 10月から改定 【法改正】


 厚労省から令和7年度の各都道府県労働局長が以下の金額で決定をしています。施行時期は各都道府県で異なります。全国加重平均額63円の引上げは、昭和53年度に目安制度が始まって以降で最高額です。今年度、改定額の全国平均は1,118円となりましたが、厚労省は2030年代半ばまでに1,500円への引上げを目指しています。

● 令和7年度地域別最低賃金 時給(抜粋)

都道府県名 令和7年度(円) 令和6年度(円) 施行時期
東京 1,226 1,163 令和7年10月3日
埼玉 1,141 1,078 令和7年11月1日
神奈川 1,225 1,162 令和7年10月4日
千葉 1,140 1,076 令和7年10月3日
茨城 1,074 1,005 令和7年10月12日
栃木 1,068 1,004 令和7年10月1日
群馬 1,063 985 令和8年3月1日
最低賃金法は刑事罰がある法律です。国が定めた時給以上の賃金を従業員に支払うことを義務づけており、違反した場合は、使用者は50万円以下の罰金が科されることがあります。

【通信9月】令和6年度長時間労働に関する監督指導【労基法】


 厚生労働省は、令和6年度に長時間労働が疑われる事業場に対して労働基準監督署が実施した監督指導の結果を取りまとめ、監督指導事例とともに公表しました。監督指導事例から自社が違反をしていないのか定期的に確認をしておきましょう。


主な監督指導例

1.36協定で定めた上限を超えて時間外労働を行わせた(是正勧告)

2.労基法で定められた上限を超えて時間外・休日労働を行わせた(是正勧告)
 *時間外・休日労働時間1か月あたり80時間以内とする具体的方策の実施確認を行う

3.勤怠管理システム上の残業申請の時間と、タイムカード打刻記録との間に1日あたり3時間程度の乖離があり理由が不明(監督指導)
 *労働時間を訂正に把握するための具体的検討・実施をすること
 *過去に遡って労働者に事実関係の聞き取り等に実態調査委を行い、未払い賃金がある場合には支払うこと

【通信9月】スマホ保険証 9月19日から順次開始【健康保険】


 厚労省はマイナ保険証の機能を搭載したスマホによる受診を、9月19日から医療機関で順次開始すると発表しました。スマホからデータを読み取る「カードリーダー」を設置し、対応可能な医療機関や薬局にはステッカーの掲示がされます。対応可能な医療機関等は、厚労省のホームページで公表を予定しています。

● マイナ保険証をスマホで使うには?
1.マイナポータルアプリをダウンロード
2.マイナポータルアプリからマイナンバーカードをスマホにかざし読み取るとログイン完了
3.ログイン後、マイナンバーカードの健康保険証利用登録を行う
4.マイナンバーカードの機能をスマホに搭載 (デジタル丁のWebサイトを参照)

【通信9月】19歳以上23歳未満の被扶養者に係る認定【健康保険】


 6月号で予告しましたが、厚生労働省から、「19歳以上23歳未満の被扶養者に係る認定について(令和7年7月4日保発0704第1号・年管発0704第1号)ほか」という通達が発出されました。その内容を確認しておきましょう。


通達「19歳以上23歳未満の被扶養者に係る認定について」のポイント

 この通達は、令和7年度税制改正において、19歳以上23歳未満の者への特定扶養控除の要件の見直し及び特定親族特別控除の創設が行われたことを踏まえ、19歳以上23歳未満の被扶養者に係る認定について、次のような取り扱いの変更を行うものです。

■ 認定対象者の年間収入に係る認定要件のうち、その額を130万円未満とするものについて、当該認定対象者(被保険者の配偶者を除く)が19歳以上23歳未満である場合にあっては、その額を150万円未満として取り扱う。
■ 上記の取り扱いは、令和7年10月1日から適用する。

「19歳以上23歳未満」は学生を念頭に入れた認定の変更ですが、学生である必要はありません。ただし、配偶者は除かれています。年収130万以上のため(ただし、150万円未満)被扶養者になっていない「19歳以上23歳未満」の家族にいる従業員を確認し、該当する場合には被扶養者該当届出をしましょう。

【通信8月】協会けんぽの電子申請 令和8年1月導入に向けて【健康保険】

 社会保険、雇用保険の取得喪失等の手続きを中心に、書面から電子申請へと切り替わってきていますが、いまだに健康保険の傷病手当金等の給付関係の手続きは電子申請の整備が遅れており、書面での手続きしかありません。
 協会けんぽの今年度の事業計画を見てみると、令和8年度1月の電子申請等の導入に向けてシステム整備を進め、スマホアプリも開発するとあります。詳細はまだ公表されていませんが、今後の情報に注目していきましょう。