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ニュース

【通信10月】10月は「年次有給休暇取得促進期間」【労務】


 厚生労働省は、毎年10月を「年次有給休暇取得促進期間」と位置づけ、労働者の年次有給休暇取得を促進するための広報・啓発活動を展開しています。
 年次有給休暇の取得率は約65%にとどまっており、政府は2028年度までに70%の達成を目指しています。企業においては、促進期間を一つの機会として、取得率向上に向けた取組みが求められます。

年次有給休暇の年5日取得義務の確実な履行
 労働基準法の改正により、2019年4月から使用者は年次有給休暇が10日以上付与される労働者に対し、5日の年次有給休暇を取得させる義務を負っている(労働基準法第39条第7項)。
 この義務は、雇用形態にかかわらず該当するすべての労働者が対象。取得義務を果たしていない場合には、労働者一人あたり30万円以下の罰金が科されることもあり、法令を遵守した確実な管理が求められる。年次有給休暇の取得促進には、「年休の計画的付与制度」や「時間単位年休」の活用も考えられる。

法定帳簿(労働基準法で規定された4帳簿)
(1)年次有給休暇管理簿
 労働者ごとに作成する必要あり
 取得日、付与日、日数

(2)賃金台帳
 事業所ごとに作成する必要あり

(3)労働者名簿
 事業所ごと、労働者ごとに作成する必要あり

(4)出勤簿(労働時間を記録)
*いずれも保存は3年間
各種調査や手続き等で必要になる帳簿

【通信10月】65歳以上の就業者数、過去最高【労働環境】


 総務省統計局から「統計からみた我が国の高齢者―「敬老の日」にちなんでーが公表されました。65歳以上の人口は3619万人と前年に比べ5万人の減少をしていますが、総人口に占める割合は29.4%と過去最高になっています。65歳以上の就労も進んでいます。主な統計に内容を見てみましょう。

高齢者の就労(労働力調査)より

● 65歳以上の就業者数は、21年連続で増加し930万人と過去最高
● 就業者総数に占める65歳以上の就業者の割合は13.7%と過去最高
● 65歳以上の役員を除く雇用者に占める非正規雇用の割合は76.9%
● 「医療・福祉」の65歳以上の就業者は10年前の約2.3倍に増加

 高年齢者雇用安定法では、70歳までの就業確保措置は努力義務としていますが、労働力不足を心配される中、高齢者の就業環境を整備していくことが求められています。上記の調査結果からも高齢者雇用が進んでいることが分かりますね。

【通信10月】「配偶者手当」の検討を依頼(厚労省)【労務】


 配偶者の収入要件がある「配偶者手当」は女性パートタイム労働者の就業調整の要因になっていると指摘されています。配偶者手当の支給要件が扶養の範囲となっている場合には、「配偶者手当」の在り方について労使で真摯な話し合いをして欲しいというリーフレットを作成し、「配偶者手当」の検討依頼をしています。


「配偶者手当」を支給している事業主様へ(リーフレット)主な内容

●令和7年度税制改正により、 所得税法のおける扶養基準は103万円から123万円に、配偶者特別控除の対象となる配偶者の給与収入の上限は、150万円から160万円へと引き上げとなる。「配偶者手当」の支給要件はどうなっているかを就業規則(賃金規程)等で確認してみよう。

●「配偶者手当」の見直し
 1.支給基準の見直し
 (1)支給基準を103万円から123万円に引き上げ
 (2)配偶者の収入による制限廃止

 2.配偶者手当の廃止
 (1)他の手当等に賃金原資を振り分ける
   例)こども手当の増額 基本給への組み入れ


国家公務員は配偶者手当の廃止とこども手当増額に


配偶者手当の段階的廃止にあわせて、こども手当を段階的に増額している。
自治体でも見直しが進んでいる。

 賃金規程等に「税法上の控除対象配偶者」の意味で103万円未満の収入と記載がある場合には、規定の改訂が必要になります。あわせて、社員の配偶者が就労調整をしなくてすむ支給要件を検討してみませんか。賃金総額を変えずに改訂している事業所が多いようです。

【通信9月】最低賃金 10月から改定 【法改正】


 厚労省から令和7年度の各都道府県労働局長が以下の金額で決定をしています。施行時期は各都道府県で異なります。全国加重平均額63円の引上げは、昭和53年度に目安制度が始まって以降で最高額です。今年度、改定額の全国平均は1,118円となりましたが、厚労省は2030年代半ばまでに1,500円への引上げを目指しています。

● 令和7年度地域別最低賃金 時給(抜粋)

都道府県名 令和7年度(円) 令和6年度(円) 施行時期
東京 1,226 1,163 令和7年10月3日
埼玉 1,141 1,078 令和7年11月1日
神奈川 1,225 1,162 令和7年10月4日
千葉 1,140 1,076 令和7年10月3日
茨城 1,074 1,005 令和7年10月12日
栃木 1,068 1,004 令和7年10月1日
群馬 1,063 985 令和8年3月1日
最低賃金法は刑事罰がある法律です。国が定めた時給以上の賃金を従業員に支払うことを義務づけており、違反した場合は、使用者は50万円以下の罰金が科されることがあります。

【通信9月】令和6年度長時間労働に関する監督指導【労基法】


 厚生労働省は、令和6年度に長時間労働が疑われる事業場に対して労働基準監督署が実施した監督指導の結果を取りまとめ、監督指導事例とともに公表しました。監督指導事例から自社が違反をしていないのか定期的に確認をしておきましょう。


主な監督指導例

1.36協定で定めた上限を超えて時間外労働を行わせた(是正勧告)

2.労基法で定められた上限を超えて時間外・休日労働を行わせた(是正勧告)
 *時間外・休日労働時間1か月あたり80時間以内とする具体的方策の実施確認を行う

3.勤怠管理システム上の残業申請の時間と、タイムカード打刻記録との間に1日あたり3時間程度の乖離があり理由が不明(監督指導)
 *労働時間を訂正に把握するための具体的検討・実施をすること
 *過去に遡って労働者に事実関係の聞き取り等に実態調査委を行い、未払い賃金がある場合には支払うこと

【通信9月】スマホ保険証 9月19日から順次開始【健康保険】


 厚労省はマイナ保険証の機能を搭載したスマホによる受診を、9月19日から医療機関で順次開始すると発表しました。スマホからデータを読み取る「カードリーダー」を設置し、対応可能な医療機関や薬局にはステッカーの掲示がされます。対応可能な医療機関等は、厚労省のホームページで公表を予定しています。

● マイナ保険証をスマホで使うには?
1.マイナポータルアプリをダウンロード
2.マイナポータルアプリからマイナンバーカードをスマホにかざし読み取るとログイン完了
3.ログイン後、マイナンバーカードの健康保険証利用登録を行う
4.マイナンバーカードの機能をスマホに搭載 (デジタル丁のWebサイトを参照)

【通信9月】19歳以上23歳未満の被扶養者に係る認定【健康保険】


 6月号で予告しましたが、厚生労働省から、「19歳以上23歳未満の被扶養者に係る認定について(令和7年7月4日保発0704第1号・年管発0704第1号)ほか」という通達が発出されました。その内容を確認しておきましょう。


通達「19歳以上23歳未満の被扶養者に係る認定について」のポイント

 この通達は、令和7年度税制改正において、19歳以上23歳未満の者への特定扶養控除の要件の見直し及び特定親族特別控除の創設が行われたことを踏まえ、19歳以上23歳未満の被扶養者に係る認定について、次のような取り扱いの変更を行うものです。

■ 認定対象者の年間収入に係る認定要件のうち、その額を130万円未満とするものについて、当該認定対象者(被保険者の配偶者を除く)が19歳以上23歳未満である場合にあっては、その額を150万円未満として取り扱う。
■ 上記の取り扱いは、令和7年10月1日から適用する。

「19歳以上23歳未満」は学生を念頭に入れた認定の変更ですが、学生である必要はありません。ただし、配偶者は除かれています。年収130万以上のため(ただし、150万円未満)被扶養者になっていない「19歳以上23歳未満」の家族にいる従業員を確認し、該当する場合には被扶養者該当届出をしましょう。

【通信8月】協会けんぽの電子申請 令和8年1月導入に向けて【健康保険】

 社会保険、雇用保険の取得喪失等の手続きを中心に、書面から電子申請へと切り替わってきていますが、いまだに健康保険の傷病手当金等の給付関係の手続きは電子申請の整備が遅れており、書面での手続きしかありません。
 協会けんぽの今年度の事業計画を見てみると、令和8年度1月の電子申請等の導入に向けてシステム整備を進め、スマホアプリも開発するとあります。詳細はまだ公表されていませんが、今後の情報に注目していきましょう。

【通信8月】令和6年度の男性育児休業取得率は40.5%【労務】


 少子化対策で進められてきた男性の育児休業取得ですが、厚労省が7月30日に発表した令和6年度雇用均等基本調査によると、前年度から10.4ポイント上昇し、過去最高を更新しました。令和5年6月13日の閣議決定では、令和7年度の男性育児休業取得率目標は50%、令和12年度の目標は85%としています。


令和6年度雇用均等基本調査

「雇用均等基本調査」は、男女の均等な取扱いや仕事と家庭の両立などに関する雇用管理の実態把握を目的に実施しています。令和6年度は、全国の企業(常用労働者数10人以上、6000企業 有効回答率53.9%)と事業所(常用労働者数5人以上、6300事業所 有効回答率53.7%)を対象に、令和6年度10月1日現在の状況を調査しました。

育児休業取得率:男性 40.5%(前年 30.1%) 女性 86.6%(前年 84.1%)

 産後パパ育休制度の創設や給付金の引き上げ等の法改正も進んでいますので、今後、男性の育児休業取得率は更に上昇すると考えられます。男性も一定期間育児休業を取得するという前提で職場環境整備が求められています。


若年社会人の育休取得意向は7割以上

 「令和7年7月30日、厚労省共育プロジェクトから意識調査(速報)が公表されました。この調査は共働き・共育に関する若年層似意識調査の把握と意向を明らかにすることを目的のWEB調査です。
対象者:全国15~30歳男女 高校生・大学生・若手社会人13709人
調査実施日:6月21日~6月30日

共育の実現のためには、社会や職場の支援が必要との声が多い。

【通信8月】130万円の壁対策 短時間労働者労働時間延長支援コース新設【助成金】


キャリアアップ助成金として、「短時間労働者労働時間延長支援コース」が新設されました(令和7年7月1日~)。これは、106万円の壁対策である「社会保険適用時処遇改善コース」の「労働時間延長メニュー」の要件を見直すとともに、助成額を拡充し、130万円の壁対策として新設されたものです。その概要は次のとおりです。


キャリアアップ助成金 短時間労働者労働時間延長支援コースの概要

↑厚労省リーフレットより

注意:社会保険適用時処遇改善コースは令和七年度末までを対象としており、令和八年度以降はこのコースを活用することになります。

いわゆる「社会保険加入の壁」による働き控えの解消をサポートする助成金。短時間労働者の労働時間延長、社会保険に加入、収入増加がセットです。募集時の時間単価を上げる会社が増えていますが、在職者の時給とのバランスを図る場合でもこの助成金を検討してみるのもいいでしょう。