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ニュース

【通信8月】療養・育児・介護により報酬急減者の特例(令和9年1月~)【社会保険】


 厚労省から「療養、育児又は介護により報酬が急減した者についての健康保険法及び厚生年金保険法の標準報酬月額の保険者算定の特例について」が公表されています。これは、療養、育児又は介護と仕事を両立するために短時間勤務等を行ない、報酬が大幅に減少した方について、保険料や高額療養費制度の自己負担限度額の算定基礎となる標準報酬月額について、特例的な取扱いとするものです。


特例措置の内容

●通常の随時改定(月額変更)
 標準報酬月額が2等級以上低下する場合に随時改定(月額変更)を行なうが、標準報酬が改定されるには固定的賃金の変動があった月から3か月を要するため、それまでの間、従前の標準報酬月額の保険料が維持される

●特例措置
 療養・育児・介護により従前の標準報酬月額に比べて2等級以上低下し、かつその状態が3か月以上続くと見込まれると届出があった場合には、固定的賃金の変動の有無にかかわらず、特例措置により、報酬減となった初月に受けた報酬の総額を、新たな標準報酬月額として改定できる
また、就労調整が終了・縮小し、標準報酬月額が2等級以上上昇した場合は、固定的賃金の変動の有無に関わらず、速やかに届出たうえで、報酬増となった初月に受けた報酬の総額を新たな標準報酬月額として改定する

●本人の同意
 将来の年金や傷病手当金等への影響があるため、対象者が書面で同意していること

 賃金減少の場合、随時改定では保険料減に3か月を要するため、手取りが少なく生活がきつい場合があります。そのための救済ですが、将来の年金額や傷病手当金等に影響があるため、この特例措置の届出を行なう場合には、必ず本人の同意をとりましょう。

【通信8月】高額療養費制度の見直し(令和8年8月~)【法改正】


 被保険者が医療機関等の窓口で支払う自己負担額が、月ごとの自己負担限度額に抑えられるのが、高額療養費制度です。本制度について、高齢化の進展や医療の高度化により増大する社会保障費に対応するため、年間上限額を設ける等の配慮をしたうえで、月額上限額の引き上げる制度改正が行なわれました。各健康保険組合は付加給付がある場合があり、以下の限度額と異なることがあります。


70歳未満の方(協会けんぽ)

●自己負担額限度額の変更

被保険者の所得区分 自己負担限度額 年間上限額
標準報酬月額

83万円以上

270,300円+(総医療費-901,000)×1%

改正前 252,600円+(総医療費-842,000円)×1%

168万円
標準報酬月額

53~79万円

179,100円+(総医療費-597,000)×1%

改正前 167,400円+(総医療費-558,000円)×1%

111万円
標準報酬月額

28~50万円

85,800円+(総医療費-286,000)×1%

改正前 80,100円+(総医療費-267,000円)×1%

53万円
標準報酬月額

26万円以下

61,500円

改正前は57,600円

*53万円
低所得者 36,900円

改正前は35,400円

29万円

*標準報酬月額が15万円以下であることが確認できた場合には、年間41万円を適用し、令和9年8月以降に償還する。
*年間上限額は毎年8月から翌年7月までの12か月が対象となる。

●多数回該当
 本制度には、被保険者の負担軽減の観点から、直近1年間に3回以上高額療養費を受けると、4回目からは月額上限額が下がる仕組みがある。
 この額は、長期療養者への配慮から、8月以降も据え置きになった。

 高額療養費の見直しは令和8年度と令和9年度の2段階に分けて実施されます。上記の表は令和8年8月から令和9年7月までの内容です。高額療養費制度は会社の実務には関係はありませんが、社員の質問に答えられるようにしておきましょう。

【通信7月】中小企業で定着率が高いリファラル採用【労務】


 高い手数料を支払って転職エージェントを利用しても、早期退職されるとコストも時間も水の泡です。こうした中、「リファラル採用(社員紹介)」が注目されています。現在、リファラル採用を導入している企業は全体で49.2%となっています。東京商工リサーチが2026年6月に発表した採用に関する調査から、従業員の定着率順と紹介報酬をあげてみました。紹介報酬については労務上の留意が必要です。
中小企業定着率

1.リファラル採用      18.5%
2.ハローワークから紹介   12.1%
3.新卒採用         10.4%
4.転職エージェントから紹介 5.4%

紹介報酬

1.支給していない   40.9%
2.明確な規定はない  20.4%
3.支給している    20.7%
 (1万円~10万円)

【通信7月】有効期限切れの健康保険証利用終了(2026年7月末)【健康保険】


 「健康保険証」は2024年12月2日に新規発行は廃止されましたが、既に「健康保険証」を取得している方は2025年12月1日の有効期限が切れても経過措置として利用ができていました。その経過措置もいよいよ2026年7月末で終了です。2026年8月からは「マイナ保険証登録」または「資格確認書」のどちらかでの利用となります。もう一度確認しておきましょう。
 人事担当者として整理してみましょう。


マイナ保険証・資格確認書・資格情報のお知らせの比較(2024年資料)

【人事担当者のメモ】
1.資格確認書は社員が退職時に回収になる
2.資格確認書が回収できないときは、「資格確認書回収不能届」を届出する
3.社員が入社時にマイナ保険証登録済みの場合は、「資格情報のお知らせ」、マイナ保険証登録していない場合には「資格確認書」が届く

【通信7月】骨太の方針2026原案公表【労働環境】


 内閣府が2026年6月30日に公表した「経済財政運営と改革の基本の方針2026(骨太の方針2026)の原案について、人事労務関連の重要ポイント3つをあげてみました。高市政権初となる今回の方針は、従来の「分配・地方創生」から「投資と経済成長」へ舵を切りました。人手不足の中、「人的資本投資」「労働生産性向上」「柔軟な働き方の選択肢拡大」が強く打ち出されています。3つのポイントを確認しましょう。


骨太の方針2026原案 人事労務関連3つのポイント

1.最低賃金「2030年代前半に全国平均1500円」の目標
 「骨太の方針2025」では、2020年代に全国平均1500円という高い目標だったが、「骨太の方針2026」では、遅くとも2030年代前半できる限り早期に全国平均1500円を達成すると言う記載になった。

 ■ 政府の支援:中小企業の生産性向上への支援を複数年度にわたり継続する
 ■ 実務対応: 賃金制度の見直し、業務の効率化(付加価値の低い業務の削減)等

2.労働時間法制改革
 ■ 心身の健康維持と従業員の選択を前提に柔軟で多様な働き方を実現する
 ■ 夏以降の労働政策審議会で議論を行なう
 ■ 改正の予想:
   裁量労働制の対象拡大
   変形労働時間制の柔軟化
   副業の割増賃金にかかる労働時間通算のルールの廃止 等

3.労働市場改革と円滑な労働移動
 成長分野への「円滑な労働移動」を支援する方針が強化されている。優秀な人材が流出しやすくなる一方で、必要なスキルを持つ人材を外部から獲得しやすくなる。
 ■ 雇用保険制度:
   セーフティネットの役割を維持しつつ、早期再就職やキャリアアップを後押しする仕組みへシフト
 ■ 実務対応:
   従業員のリスキリング(学び直し)支援制度の構築
   特に若年層はキャリア形成ができないと退職につながるため、キャリア形成支援を継続的に計画

 今回の原案では保留中の記載も多く見られるので、今後調整されるかもしれませんが、上記にあげた3つのポイントの方向性は変わらないでしょう。自社に関係する項目は少しずつ検討を始めておきましょう。
 最低賃金は時給者だけではなく、月給者も時給換算をして確認をしておきましょう。

【通信6月】年金記録上のフリガナの変更【年金】


 令和7年5月以降、戸籍等への氏名のフリガナ記載が開始され、令和8年5月25日までに訂正の届出がない場合、市区町村から通知されたフリガナが戸籍等に記載されました。日本年金機構は、住民基本台帳ネットワークから情報提供されたことに伴い、年金記録上の氏名を住民票の氏名に合わせて変更しました。変更した方へは「氏名変更のお知らせ」通知が届きます。

*住民票上の氏名の一部に日本年金機構で対応できない漢字が含まれている場合には、カタカナのみの登録
*フリガナの小文字は大文字に変換して登録

【通信6月】自社の誹謗中傷削除依頼 (法務省手引)【労働環境】


 総務省がまとめたインターネット上の違法・有害情報に関する報告書によると、相談件数は高止まりしています。今年10月から企業にはカスハラ対策を講じることが義務となりますが、その対策の観点から自社(社員個人を含む)が誹謗中傷の被害に遭った場合に備えて、削除請求の方法を確認しておくとよいでしょう。法務省が4月15日に手引を公表しています。


インターネット上の誹謗中傷書き込み削除依頼の手引(法務省)より

1.削除はプラットフォーム事業者の基準による
 *人権を侵害する書き込みは名誉毀損等の人格権等に基づく差止請求権により、SNS事業者やサイトの運営者(プラットフォーム事業者等)に対して削除をもとめることが出来るが、削除するかどうかはプラットフォーム事業者等が判断する
 *削除基準は公開が義務付けられ、削除依頼に対する一定期間内の通知も義務になった

 
2.国が指定した大規模なプラットフォーム事業者(9社 令和7年12月現在)が対象

 *Google (Google検索、YouTube等)
 *LINEヤフー(Yahoo!知恵袋 等)
 *Meta(Instagram、Facebook等)
 *TikTok
 *X(旧Twitter)
 *ドワンゴ(ニコニコ)
 *サイバーエージェント(Amebaブログ)
 *湘南西武ホーム(爆サイ.com)
 *Pinterest
 *Loki Technology(5ちゃんねる)

3.削除依頼の方法や手順は、各サービスを提供するプラットフォーム事業者によって異なる
 *多くの場合、SNSやサイトに設置された専用の「削除依頼フォーム」から連絡する方法が基本となっている

4.掲示板によっては「削除依頼」そのものが公開されるリスクがある
 *依頼文には、個人情報は記載しない

【通信6月】医療保険制度改革(令和9年4月1日施行)【健康保険】


 令和8年5月29日、参議院本会議において、「健康保険法等の一部を改正する法律」が、賛成多数で可決成立しました。この法改正は、将来にわたり医療保険制度を持続可能にするため、現役世代を中心に保険料負担の上昇を抑制しながら、全世代を通じて、給付と負担の見直しを行ないました。主なポイントを見ていきましょう。


医療保険制度改革 主な改正内容

1.日常的な医療に用いる医薬品の保険給付の見直し
 健康保険を使って処方される医薬品とOTC医薬品(薬局等で購入)との公平性を踏まえる
 *該当医薬品例:鼻炎、胃痛、痛み止め、肩こり、風邪症状等について(薬剤の4分の一を負担)

2.長期に治療が必要な方のセーフネット機能の強化
 高額療養費の月単位の自己負担は医療費の伸びや所得に応じて負担するしくみだが、新たに年間上限を設ける 

3.後期高齢者医療制度における金融所得の公平な反映
 上場株式の配当等の金融所得を確定申告選択にかかわらず、窓口や保険料負担の不公平を解消する

4.妊娠・出産に対する支援の強化
 出産の標準的な費用の無償化 妊婦健診や出産の経済的負担の軽減

5.子育て世帯の保険料負担軽減
 国民健康保険において、被保険者数に応じて課される保険料を子どもについて半減する措置の対象を未就学児から高校生年代まで広げる

● 上記1 OTC類似薬の薬剤給付の見直しのイメージ

 施行は令和9年4月1日としつつも、改正内容によっては施行日が異なりますので、ご注意ください。厚生労働省では「医療保険制度改正法が成立しました」専用ページを設けて周知を図っています。

【通信5月】労働保険年度更新は6月1日~7月10日まで【労働保険】


 労働保険の第1回保険料納付も7月10日まで(口座振替納付は9月8日)。多少の期間は申告期限を越えても猶予される実態がありますが、原則、期限以降は追徴金が課されるので期限は守りましょう。

●今年度の保険料:
    令和8年度の雇用保険料率が変更になっている
    一般の事業:13.5/1000(労働者+事業主) 〈令和7年度14.5/1000〉
    建設の事業:16.5/1000(労働者+事業主) 〈令和7年度17.5/1000〉

●労働保険対象者の範囲:
    法人の役員・・労働者としての賃金部分のみ
    出向者・・・・出向先の賃金
    派遣労働者・・派遣元の賃金

【通信5月】パート・有期雇用者への明示事項追加(令和8年10月~)【労働法】


 パートタイム・有期雇用労働者の採用時の労働条件の明示事項として、新たに「待遇の相違の内容・理由等に関する説明を求めることができる旨」を追加するパートタイム・有期雇用労働法施行規則の改正が行なわれ、令和8年10月1日から施行されます。違反した者は10万円の過料に処されます。あわせて「同一労働同一賃金ガイドライン」も改正しています。


厚生労働省リーフレットより

特に多回数更新している有期雇用労働者の場合は以下の手当等は点検しましょう。

□賞与・退職金
□家族手当
□住宅手当
□福利厚生施設
□病気休職
□夏季冬季休暇
□無事故手当(運転手等)
□褒賞

支給目的・理由に照らして、待遇の相違を説明できますか?

●説明の方法
・資料を活用し、口頭により説明する
・説明事項を全て記載した分かりやすい内容の資料を交付する
・説明資料の交付が困難な場合でも、求めがある場合には閲覧させる等の工夫をする
・説明の求めがない場合でも周知する対応が望ましい