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【通信4月】コンビニでアルバイトの欠勤に課題なペナルティ【労基法】

【通信4月】コンビニでアルバイトの欠勤に課題なペナルティ【労基法】


 大手のコンビニエンスストアの加盟店における労働基準法違反が2件発覚し、報道各社によって大々的に取り上げられました。発覚のきっかけは、SNSと家族による本部への通告だったとか。
 経営者は、労基法による基本的なルールを知らなかったではすまないのです。


制裁による減額は、一賃金支払い期間における賃金総額の10分の1を超えてはいけない!


● 事件1:月のバイト代23,000円の高校生に、9,350円の制裁減給

 本年1月末ごろ、大手コンビニエンスストアの加盟店において、風邪でアルバイトを10時間欠勤した高校生に対し、欠勤分を減額した給料からさらに10時間分が差し引かれ、給与明細には「ペナルティー10時間分9,350円」と手書きされた紙が貼られていた。

<労働基準法第91条(制裁規定の制限)>
就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない。

*上記の事案では、高校生のその月分のバイト代総額は23,000円で、制裁減給の上限は2,300円程度(バイト代総額の10分の1)です。そもそも、風邪で休んでも制裁に該当させるのは無理があります。

欠勤1回1万円の罰金?


● 事件2:罰金1万円の損害賠償額を予定する契約を結ばせた

 本年2月には、急な欠勤に罰金を科す違法な契約をアルバイト店員に結ばせた容疑で、大手コンビニエンスストア加盟店の経営者が書類送検された。警察の調べによると、加盟店は、アルバイト店員の男女5人に、「急に欠勤した場合は1回1万円の罰金を徴収する」という内容の書類に署名させていたとのこと。

<労働基準法第16条(賠償予定の禁止)>
使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

〈補足〉この規定について、「現実に生じた損害について賠償を請求することを禁止するものではない(昭和22年発基17号)」という通達が発出されている。
 簡単にいうと、“あらかじめ罰金などを決めておくことはダメ”ということ。上記の書類送検の事案は、この規定違反の典型といえる。

人手不足の業界であるコンビニで、急な欠勤は現場の責任者にとって頭の痛い問題だったことでしょう。しかし、法律違反または行き過ぎた処罰は退職を招き、さらに人手不足を招く職場になりかねません。常日頃からコミュニケーションをとり、助け合える働きやすい職場にしたいものですね。

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