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ニュース

【通信10月】コロナワクチンを接種していない労働者【労務】


厚生労働省は、新型コロナウィルスに関するQ&Aを公開していますが、先日、企業向けのQ&Aに新型コロナのワクチン接種に関する内容が追加されました。要約して記載します。ワクチン接種が進んでいますが、未接種の従業員への対応の参考にしてください。

Q:新型コロナウィルスワクチンの接種を拒否した労働者を解雇、雇止めすることはできるか?
A:ワクチン接種を拒否したことのみを理由として、解雇、雇止めは許されない。

Q:ワクチン未接種の労働者を人と接することがない業務に配置転換できるか?
A:就業規則等で業務上の都合で配置転換ができる定めがある場合には、企業は労働者の同意なく配置転換を命じることができる。ただし、その目的、業務上の必要性、労働者への不利益の程度、配置転換以外の代替え可能か等を検討し、労働者の理解を深めてほしい。

Q:採用時にワクチン接種を条件にできるか?
A:ワクチン接種を受けていることを採用条件とすることを禁じる法律はないが、ワクチン接種をしていることが必要な理由を応募者にあらかじめ示して募集を行うことが望ましい。

 

ワクチン接種済みの人の割合が上昇してくる中、接種をしない人に対する取り扱いには十分に留意が必要です。
職種や職場環境、接種できない体質等に対してどのように対応するのか、会社として方針を決めておいた方がいいでしょう。くれぐれも、ハラスメントが生じないよう留意しましょう。

【通信10月】過労死 労災認定基準の改正【労働保険】


 脳・心臓疾患の労災認定基準については、前回の改正から20年が経過し、働き方改革等により職場環境の変化が生じていることから、最新の医学的知見を踏まえて改正したものです。今後、この基準に基づいて、労災補償が行われます。(令和3年9月14日基発)

● 改正前から長時間労働は労災認定がされやすい
法定時間外労働時間が発症前1ヶ月間に100時間、2~6ヶ月間の平均で80時間あると過労死認定がほぼされている。最近では2~6ヶ月間の平均で60時間、45時間超でも何かの負荷要因があると労災認定される傾向があった。

● 長時間労働削減の企業努力が求められている
労働基準法改正(働き方改革)により、法定外労働時間の削減(月45時間以内、年360時間以内)を行うように企業努力が求められている。企業努力がされていないと、刑事罰もある。

厚生労働省は、過労死について、刑事罰も該当させる労働基準法の改正や、損害賠償請求もあり得る労災認定の緩和を行い、長時間労働をなんとか削減させようとしています。36協定書を守っていますか?

【通信9月】最低賃金 10月から改定【法改正】


 厚労省から令和3年度の「地域別最低賃金の全国一覧」が公表されました。全国加重平均額28円の引上げは、昭和53年度に目安制度が始まって以降で最高額です。今年度、改定額の全国加重平均は930円となりましたが、厚労省は1000円への引上げを目指しています。


■■ 令和3年度地域別最低賃金 時給 (抜粋) ■■

都道府県名 令和3年度(円) 令和2年度(円)
東京 1,041 1,013
埼玉 956 928
神奈川 1,040 1,012
千葉 953 925
茨城 879 851
栃木 882 854
群馬 865 837

【通信9月】両立支援等助成金 新型コロナ感染症特例【助成金】


 小学校等(小学校・保育園・幼稚園等)への新型コロナ感染症が広がっています。その対応として臨時休業等をした小学校等に通う子どもの世話を行う労働者に対し、有給(賃金全額支給)の休暇(年次有給休暇を除く)を取得させた事業主へ助成されます。

 助成額一人あたり5万円 / 一事業主につき10人まで(上限50万円)
● 主な支給要件
1. 小学校等が臨時休校等になった場合及び子どもが新型コロナ感染症により世話を行う必要がある労働者が特別有給休暇を取得できる制度の規程化

2. 小学校等が臨時休業等をした場合の両立支援の仕組みとして、次のいずれかの社内周知。
 ・ テレワーク・短時間勤務制度
 ・ フレックスタイムの制度
 ・ 時差出勤の制度
 ・ ベビーシッター費用補助制度 等

● 申請期間

特別有給休暇取得日 申請期間
令和3年7月1日~令和3年9月30日 令和3年7月1日~令和3年11月30日
令和3年10月1日~令和3年12月31日 令和3年10月1日~令和4年2月28日
令和4年1月1日~令和4年3月31日 令和4年1月1日~令和4年5月31日

【通信9月】無期転換ルールで初の実態調査結果を公表【労務】


厚労省は「有期労働契約に関する実態調査」の結果を公表し、有期契約労働者の契約更新が通算5年を超えると無期契約を申し込める権利が発生する「無期転換ルール」(2013年4月施行の改正労働契約法により新設)について、2018年~2019年の実態を初めて明らかにしました。調査は2020年4月時点で5人以上を雇用している企業5662事業所と2021年1月時点で労働者6670人に対して行われたものです。

 約3割が無期転換申込権を行使 (事業所調査より)

● 有期契約労働者を雇用している事業所:41.7%

● 常用労働者に占める有期契約労働者の割合:22.4%

● 2018年~2019年度に無期転換申込権が生じ、その権利を行使した人の割合:27.8%
(上記、無期転換した人のうち、25.5%は事業所独自の制度等で無期転換)

● 無期転換後の身分:正社員9.2%,  限定正社員1.4%,  無期転換社員89.4%

● 有期契約労働者がいないと事業が成り立たない 62.4%
(理由:人件費コストが増大する 41.1%. 必要な労働者数が確保できない36.6%)

 

 約4割が「無期転換ルール」を知らない (個人調査より)

● 年齢
  60~64歳:15.9%  40~44歳:13.4%  50~54歳:12.4%  45~49歳:12.3%

● パートタイム労働者:50.5%,  契約社員:24.7%,  嘱託社員:14.1%

● 有期契約労働者の世帯主割合:39.4%

● 無期転換ルールの知識有無
   知っている:38.5%   知らない:39.9%  名称は聞いたことがある:17.8%

● 無期転換希望する理由
雇用不安がなくなる:81.2%  長期的な見通しができる:55.6%

● 無期転換を希望しない理由
    高齢だから:40.2%  現状に不満がない:30.2%  意味がない:20.5%

● 労働契約改善希望:56.4% (内訳:賃金等労働条件61.5%  安定した雇用形態31.1%)

 

調査の結果からみると、非正規労働者の中には軽易な仕事を選び労働条件が低くても納得している人がいる一方で、正社員の仕事を希望しても就けず、また世帯主の割合も約4割おり、労働条件の改善を求める人も多いことがわかります。そのため、非正規労働者の労働条件の改善を目的とした法改正が行われています。(無期転換ルール、同一労働同一賃金、最低賃金の引上げ等)

【通信8月】基本手当日額の変更(令和3年8月1日~)【雇用保険】


 令和3年8月1日より雇用保険の基本手当日額の上限額等が変更になりました。前回(令和3年2月1日)の変更と比較すると、基本手当日額の最高額は引き下がりました。失業(基本)手当の他、育児休業給付・介護休業給付・高年齢者雇用継続給付の支給限度額も変更になりました。対象の従業員に知らせましょう。

 ●基本手当日額の上限額:

29歳以下(円) 30~44歳(円) 45~59歳(円) 60~64歳(円)
変更前 6,845 7,605 8,370 7,186
変更後 6,760
(-85)
7,510
(-95)
8,265
(-105)
7,096
(-90)

 ●基本手当日額の下限額:
  2,061円(+2円)

 ●育児休業給付 支給限度額:
  上限額(支給率67%) 305,721円 → 301,902円
  上限額(支給率50%) 228,150円 → 225,300円

 ●介護休業給付 支給限度額 上限額:
  336,474円 → 332,253円

 ●高年齢雇用継続給付 支給限度額:
  365,055円 → 360,584円

 ●60歳到達時等賃金月額 上限額:
  479,100円 → 473,100円

【通信8月】届出の36協定書と実態労働の確認を!【労働法】


時間外労働を1ヵ月45時間、1年間360時間を超える場合には、特別条項付の36協定書を届けますが、届出た36協定書の内容と実態労働に相違はありませんか?相違があると労働基準法違反となり、刑事罰もあり得ます。年度で36協定書を届出している会社は5ヵ月が過ぎます。確認をしておきましょう。

  時間外労働の基本ルール(労働基準法第36条)

1. 時間外労働は1ヵ月45時間 1年間360時間まで
  * これ以上の時間外労働の場合には特別条項付の協定書の届出

2. 1ヵ月45時間を超えることができるのは年6回まで

3. 2~5ヵ月の平均は80時間(休日勤務含む)を超えてはいけない

4. 1年間の上限は720時間

5. 限度時間(1ヵ月45時間、1年間360時間)を超えて労働させる場合の手続きを行う

 

上記5.の手続きを“労働者代表者に対する事前申し入れ”としている場合には、事前申入れをした記録をしておきましょう。限度時間超申入書を用意しておくといいですね。

【通信8月】労務トラブルのトップは“いじめ・嫌がらせ”【労務】


 総合労働相談コーナー(労働基準監督署等)では、労働者、事業主の労務相談を受けています。紛争解決援助の対象になる事案の場合は、労働局長の助言・指導の他、紛争調整委員会等があっせん案を提示するしくみがあります。これらを個別労働紛争解決制度といいますが、令和3年7月初旬に厚生労働省からその施行状況(令和2年度)が公表されました。

 相談件数、助言、指導、あっせん申請 連続最多

● 総合労働相談件数は前年度より増加
・総合労働相談件数は129万782件で、13年連続で100万件を超え、高止まり。

● 民事上の個別労働紛争の相談件数、助言・指導の申出件数、あっせんの申請件数の全項で、「いじめ・嫌がらせ」の件数が引き続き最多
・民事上の個別労働紛争の相談件数では、79,190件で9年連続最多
……下記の【図:民事上の個別労働紛争|主な相談内容別の件数推移(10年間)】参照
・助言・指導の申出では、1,831件で8年連続最多
・あっせんの申請では、1,261件で7年連続最多

 

図:民事上の個別労働紛争 主な相談内容の件数推移 10年間

「解雇」や「労働条件の引き下げ」よりも「いじめ・嫌がらせ」の相談が断トツで多いことに注目!
ハラスメント防止は会社の義務となっています。

【通信7月】国家公務員定年65歳に引上げ(令和5年4月~)【法改正】


 令和3年4月から改正高年齢者雇用安定法で70歳までの就業機会確保措置(努力義務)が施行されましたが、国家公務員の定年65歳の法改正も成立しました。民間企業の定年は法律上60歳のままですが、影響を及ぼしそうです。高年齢者雇用促進が加速しています。

 【定年の段階的引上げ】

現 行 令和5~
6年度
令和7~
8年度
令和9~
10年度
令和11~
12年度
令和13年度
(完成形)
定年 60歳 61歳 62歳 63歳 64歳 65歳

●役職定年の導入
●60歳到達時賃金の7割(60歳以上の賃金)

65歳超雇用推進助成金が以前と比べて支給要件が緩和されています。70歳までの継続雇用制度延長や定年延長を就業規則に定める場合には、一度確認してみましょう。

【通信7月】労働力不足(労働経済動向調査)令和3年5月【労務】


 「労働経済動向調査」は厚生労働省が景気の変動が雇用等に及ぼしている影響や今後も見通しについて調査し、労働経済に変化や問題点を把握することを目的に四半期毎に行っています。
(30人以上の事業所から抽出)令和3年5月の結果が公表されました。

 正社員、パートタイムともに、「不足」とする事業所割合が引き続き多い

●雇用判断D.L.(増加-減少)
正社員等雇用: -4ポイント
パートタイム雇用: 0ポイント

●労働者過不足判断(不足-過剰)
正社員等労働者: +28ポイント(40期連続で不足超過)
パートタイム労働者: +20ポイント(47期連続で不足超過)

●令和4年新卒者採用予定数を増加とする事業所の割合
 1. 高卒 19%
 2. 高専・短大卒 11%
 3. 大卒(文系)14%
 4. 大卒(理系)16%
 5. 大学院卒 9%
 6. 専修学校卒 10%

新型コロナ感染症の影響で経営が苦しくなっている会社もありますが、正社員等雇用が僅かにポイントがマイナスのみで、ここから労働者不足になると予想している会社が多いことがわかります。コロナ禍でも雇用の維持を図っている会社の姿が見えてきます。