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ニュース

【通信1月】改正戸籍法(令和6年3月1日施行)【法改正】


 令和元年成立の改正戸籍法には、本籍地の市区町村でなければ戸籍謄本を取得できない等の不便を解消するための新システム構築等が盛り込まれていましたが、いよいよ新システムが完成し、令和6年3月から次の3点が変わります。

 親子関係や婚姻関係等を確認する行政手続きで戸籍謄抄本が不要


1. 行政手続における戸籍謄抄本の添付省略が可能に
 例えば、健康保険の被扶養者認定や国民年金第3号被保険者の資格取得事務における婚姻歴の確認といった、親子関係や婚姻関係等を確認する手続きでマイナンバーを利用することとなり、戸籍謄抄本の添付省略が可能になる。

2. 戸籍の届出における戸籍謄抄本の添付省略が可能に
 婚姻届や養子縁組届など様々な戸籍の届出の際に、戸籍謄抄本の提出が不要になる。
 さらに、戸籍の届書が提出後電子化されることで、すぐに新しい戸籍謄抄本が発行できる。

3. 本籍地以外での戸籍謄本発行が可能に
 住んでいる市区町村や勤務先の最寄りの市区町村の役場の窓口で、自身の戸籍のほか、配偶者、父母、祖父母、子の戸籍の謄本も取得可能になる。
 さらに、オンラインで行政手続をする際に利用可能な戸籍の証明書として、新たに「戸籍電子証明書」が発行され、パスポートの発給申請時にこの証明書を行政機関に提示することで戸籍証明書等の添付が不要となる予定で、今後、他の手続きにも拡大される見通し。

【通信1月】年収の壁 事業主の証明【労務】


 政府が決定した「年収の壁・支援強化パッケージ」には、「130万円の壁への対応」も含まれています。一時的に収入増になった場合であれば、事業主証明によりそのまま配偶者の扶養でいられるとしています。ただし、健康保険組合によって対応が異なる場合もあるので確認をしておきましょう。

「130万円に壁への対応」の概要(首相官邸HPより)


●この支援措置を受けるためには、パート・アルバイト(被扶養者)が自身の職場から一時的に収入が増加した旨の証明をもらい、その配偶者(被保険者)が職場における被扶養者の収入の確認時にその証明を提出する必要がある。

●厚生労働省から、この支援措置に関する様式『被扶養者の収入確認に当たっての「一時的な収入変動」に係る事業主の証明書』も公表されている。

●配偶者手当の支給要件が壁になっている場合もあり、配偶者手当の支給要件見直しも促している。

人手不足の解消のために年収の壁を越えるという取組みもあるでしょう。通信11月号で紹介した「キャリアアップ助成金」「社会保険適用促進手当」を利用し、社会保険適用させ年収を気にせずに働くことを労使で考えてみてはいかがでしょうか。社会保険被保険者になると、年金額が増えること、万一の時には傷病手当金等に該当すること等、社会保障が厚くなる利点があります。
令和6年10月からは被保険者数51名以上の企業は週20時間以上の労働時間で社会保険適用となります。特に被保険者数51~100名の企業は助成金を利用して社会保険適用を図ってはいかがですか。

【通信12月】退職代行サービスの利用率は2%【労務】


 「なかなか退職させてもらえない」と労基署への相談が増えています。一方で、退職代行会社や弁護士から「退職代行」の連絡があったという企業もあるのではないでしょうか。実際にはどの程度の認知度と利用率があるのかエン・ジャパン(株)のユーザーアンケートより見てみましょう。

・退職代行サービス認知度:
 平均72% (20代は83%)

・退職代行サービスの利用率:
 利用したことがない93% (利用した2%)
 *利用した理由は「退職を言い出しにくかった」20代の回答が多い

・今後、退職代行を利用するか:
 使わない31%   状況により利用するかも42%

*退職して欲しくないなら、退職の意思が固まる前に話し合いが必要ですね。

【通信12月】介護保険利用者負担割合の議論【社会保険】


 令和5年7月社会保障審議会介護保険部会から議論内容が公表され、経済ニュース等でも報道されています。団塊の世代が後期高齢者となり、医療・介護の給付が増えることが予想され、持続可能性を確保するため負担割合拡大の議論がされています。

現行:介護保険制度における利用者負担割合(判定基準)

議論内容:
(1)低所得者に配慮しつつ、利用者負担は原則2割負担とし、3割負担の対象も拡大すべき。
(2)65歳以上の高所得者層の保険料負担を引き上げることも検討すべき。
(3)保険料負担について本来は所得に比例的にするが、資産も考えながら応能負担の環境整備が必要ではないか。

*現役世代の社会保険料負担は限界に達しており、負担割合拡大の方向性は避けられないでしょう。

【通信12月】令和6年4月施行規則と告示の改正「モデル労働条件通知書」【労務】


 令和6年4月1日より、採用者への労働条件明示ルールが変更となります。有期労働者への変更(更新上限の有無と内容の明示)はすでにお伝えしていますが、全ての労働者に対する明示事項として、「就業場所・業務の変更の範囲の明示」が新たに追加されました。

モデル労働条件通知書(令和6年4月1日適用)の改正箇所
【訂正箇所】

★上記の「労働条件通知書」は、社員を雇い入れる際や有期労働契約の更新の際に、法令に基づいて書面等により明示しなければならない事項をまとめたものです。
この厚労省のモデルを参考にするなどして、令和6年4月以降の採用のために用意をしておきましょう。

★例では「就業の場所」は東京23区内に勤務地が限定されています。企業はここで限定合意された範囲外の場所に労働者の同意無しに配転を一方的に命じることはできません。勤務地に限定がない場合には、「会社の定める事業所」との記載が想定されています。
(厚労省検討会報告書より)

例:労働条件通知書
*赤字部分
が追加される箇所

・就業の場所
 雇入れ直後:東京本社
 変更の範囲:東京23区内

・従事すべき業務内容 
 雇入れ直後:総務業務・経理業務
 変更の範囲:会社の定めるその他の業務

★例では、「就業の場所」は東京23区内に勤務地が限定されています。企業はここで限定合意された範囲外の場所に労働者の同意無しに配転を一方的に命じることはできません。
勤務地に限定がない場合には、「会社の定める事業所」との記載が想定されています。
(厚労省検討会報告書より)

【通信11月】年休の取得率62.1% 過去最高【労務】


 厚労省から「令和5年就労条件総合調査 結果の概要」が公表されました。公表された調査内容のうち、令和4年の年次有休休暇の所得率が話題になっています。年次有給休暇の取得率は初めて60%を超えましたが、政府は令和7年までに「取得率70%」を目標として掲げています。

1.労働者一人平均付与日数は17.6日(前年調査17.6日)
2.そのうち、平均取得日数は10.9日(同10.3日)
3.平均取得率は62.1%(同58.3%) 昭和59年以降過去最高

【通信11月】インフレ手当支給と実務上の注意【実務】


 令和5年の新年度から物価上昇への対応として基本給を一律に上げるベースアップで対応した企業もありますが、インフレ率をカバーする十分なベースアップができていない企業も多く、さらに物価上昇が続いていることから、臨時的な措置として「インフレ手当」の支給を検討する企業が増加しています。支給をした場合には、届出等を忘れないように注意しましょう。

インフレ手当支給の方法


(1)一時金支給
 【賞与に上乗せ支給】
 賞与を支給する際にインフレ手当を加算して支払う方法は作業負担が少なくすむ
しかし、通常の賞与に上乗せの場合には、従業員がインフレ手当支給の実感が湧きにくいというデメリットがある。

 【特別一時金】
 賞与と分けて単独で支給する場合には、特別一時金は賞与に該当するので賞与支払届が必要(年2回の夏冬賞与支給の会社の場合)。
 この特別一時金を支給することで年4回の一時金となる場合には、標準報酬に等分に振り分け、2等級以上の変更がある場合には、月額変更届を届出。

(2)月額手当
 期間限定の支給の仕方もあるが、短期間でない場合には、就業規則・賃金規程の改訂も必要。
 標準報酬2等級以上変更がある場合には、月額変更届を届出。

■2022年11月帝国データバンク調査

1.インフレ手当の平均支給額
一時金53,700円 「1万円~3万円未満」が27.9%で最も多い。
月額支給6,500円 「3千円~5千円未満」と「5千円~1万円未満」が同率で最も多い。

2.インフレ手当の支給状況
 「支給した」「支給を予定している」「支給を検討している」と回答は全体の26.4%。

【通信11月】年収の壁・支援強化を決定【労務】


 全世代型社会保障構築本部(議長:内閣総理大臣)が9月27日に開催され、「年収の壁・支援強化パッケージ」が決定されました。当面の対策としていますが、その概要を確認しておきましょう。

「年収の壁・支援強化パッケージ」の概要(厚労省資料) 

キャリアアップ助成金:社会保険適用時処遇改善コース  


新たに被用者保険を適用するとともに、労働者の収入を増加させる取組を行う事業主に対し助成
令和7年度末までに労働者に被用者保険の適用を行った事業主が対象
(1) 社会保険適用促進手当支給
   一人あたり1年目20万円 2年目20万円 3年目10万円
(2) 労働時間延長(労働時間延長を組み合わせる場合)
   一人あたり30万円
   週所定労働時間の延長時間数により、賃金の増額要件あり
扶養の範囲内で働くパート社員が多い企業では、年末になるとパート社員が労働時間を調整するため、人手不足になりがちです。当面の対策ではありますがキャリアアップ助成金を受給し、年収の壁を越える労働条件を考えてみませんか。

【通信10月】特定技能雇用契約の変更【労務】


 出入国在留管理庁は、特定技能外国人の受入れに関する運用要領を一部改正し、特定技能外国人にとって有利な労働条件に変更する場合の届出を不要とする取扱いを開始しました。

特定技能外国人に利益となる内容への変更は届出不要


● 特定技能雇用契約の変更にかかる届出書
 雇用契約書に記載された基本賃金・手当の追加・新たに賞与を支給の場合は届出が必要ですが、特定技能外国人に利益となる変更の場合は届出が不要。変更後の雇用契約書の会社保管は必要。逆にいえば、特定技能外国人に不利益となる変更は従来通り届出が必要。

● 随時届出
 特定技能外国人の受入れ後、受入れ状況等については、出入国管理及び難民認定法に基づき、地方出入国在留管理局に届出を行わなければならない。このうち、随時届出に関して問い合わせの多い事項について、届出書の記載方法、提出書類に関するものを中心にまとめたQ&Aが公表された。

【通信10月】定期健康診断項目の見直し 2025年度から【安全衛生】


 年に一度の定期健康診断について、厚生労働省が検査項目を見直す検討を始めます。時代や実態にあわせて議論し、早ければ2025年から検査項目を入れ替えて実施するとしています。どの項目が検討されるのか確認をしてみましょう。

廃止または変更が指摘されている項目と理由


● 胸部X線検査
結核の発見のために始まったが、現在は肺炎や肺がんを調べるために行っている。しかし、肺がんの発見の制度が低い。不要なX線被爆が生じている可能性がある。

● 心電図検査
不整脈や心筋梗塞を調べるために行っているが、若い世代は異常が見つかるケースが非常に少なく、年齢を区切った方がいい(一定の年齢以上)

● 空腹時血糖検査
問題なのは食後の高血糖のため、食後の血糖値の検査もした方が良い。

加えた方がよいと指摘されている項目


● 骨密度検査
骨粗鬆症になると寝たきりになり認知症にも影響するため、加えるべき。

● 月経困難症や更年期障害等女性に特化した項目
症状に個人差があるため、まずは医師の問診に追加する方法が有力。