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ニュース

【通信10月】月60時間超時間外労働の割増賃金率50%(2023年4月~)【労働法】


 大企業はすでに2010年4月1日から適用されていますが、中小企業はその適用が猶予されていました。いよいよ2023年4月1日より中小企業でも適用されます。適用まで半年を切りましたが、準備はできていますか? 

▲厚生労働省リーフレットより

● できれば月60時間超の法定時間外労働はなくしたいものです。
月60時間超の法定時間外労働をしている従業員がいるかどうか確認をしておきましょう。

● 深夜労働の時間帯の場合は、深夜割増率をあわせて75%!!

● 代替休暇
・・・月60時間超の法定時間外労働の引き上げ分の割増賃金支払いの代わりに代替休暇(有給)を付与することもできる

賃金割増率が引き上げられると知らなかった!では済まされません。月60時間超の法定時間外労働の賃金割増率を25%のままだと、当然に未払い賃金が発生します。令和3年度の監督指導による賃金不払い残業の是正企業数は1069企業。支払われた割増賃金の平均額は1企業あたり609万円、労働者一人あたり10万円でした。賃金の支払いは、適正に、確実に行っておきましょう。

【通信9月】最低賃金 10月から改定 【法改正】


 厚労省から令和4年度の「地域別最低賃金額改定の目安」が公表され、各都道府県労働局長が以下の金額でほぼ決定をしています。全国加重平均額31円の引上げは、昭和53年度に目安制度が始まって以降で最高額です。今年度、改定額の全国平均は961円となりましたが、厚労省は1,000円への引上げを目指しています。

● 令和4年度地域別最低賃金 時給 (抜粋) 書

都道府県名 令和4年度(円) 令和3年度(円)
東京 1,072 1,041
埼玉 987 956
神奈川 1,071 1,040
千葉 984 953
茨城 911 879
栃木 913 882
群馬 895 865

【通信9月】年度途中の10月から、料率2回目の引き上げ 【雇用保険】


 今年度の雇用保険料率は2段階で引き上がられます。1回目は4月よりすでに事業主負担分だけが引き上げられています。2回目は10月からで労働者負担分も変わるため、給与計算の際は注意しましょう。
 10月中に締め日がある給与から変更になります。

● 令和4年10月からの雇用保険料率

事業の種類 労働者負担(9月まで) 事業主負担 (9月まで)
一 般 5/1000 (3/1000) 8.5/1000 (6.5/1000)
設 立 6/1000 (4/1000) 10.5/1000 (8.5/1000)

【通信9月】転倒防止・腰痛予防対策(厚労省検討会)【労務】


 厚生労働省において、転倒防止・腰痛予防対策の在り方に関する検討会が開催されています。近年、特に小売業や介護施設等を中心に「転倒」「腰痛」が増加しており、従来の対策では十分な成果を上げることができていない状況にあることから、転倒防止・腰痛予防対策の在り方および具体的な対策の方針等について検討しているものです。

中間整理案の骨子一部抜粋

1. 安全衛生教育の在り方
労働者への雇入時教育等の安全衛生教育やその責任者への教育については、一定時間の座学を実施、アプリ等も活用する

2. 労働者の健康づくり
事業場において理学療法士等も活用して労働者の身体機能の維持改善を図る.骨密度、「ロコモ度(立ち上がり・歩幅)」視力等の転倒(・腰痛)に影響する身体的要因を自覚させることも必要

骨密度は通常の健康診断には項目がないので、労働者に計測を促してみましょう。特に女性は50代から減少傾向にあり、転倒、骨折、膝痛、腰痛の要因に一つになっています。また、ロコモ度はネットで検索をすると「ロコモチャレンジ!推進協議会」がロコモ度チェックの方法や予防を公開しています。安全衛生教育に取り入れてはいかがですか?

職場における腰痛予防対策指針の概要から一部抜粋

1. 重量物取扱い作業
* 作業の自動化・省力化 
* 重量の制限(男性は体重の40%以下、女性は男性の60%程度)

2. 立ち仕事
* 労働者の体型を考慮した作業機器や作業台の配置 
* クッション性のある靴、マットの利用

3. 座り仕事
* 労働者の体格に合った椅子の使用
* 直接床に座る作業の回避

4. 介護・看護作業
* 福祉用具の利用 
* 作業姿勢の改善(人力による人の抱上げは行わせない)

5. 車両運転等の作業
* 長時間運転した後に重量物を取り扱う場合、小休止・ストレッチを行った後に作業する

この指針の資料は具体的な対策を提案しています。厚生労働省HPに公開しています。転倒による骨折や腰痛を予防し、事業所にも労働者にもよい取組に役立ててください。

【通信8月】賃金は労働時間1分単位で支払う【実務】


 外食大手の企業が、これまで5分単位で店舗の勤務時間を計算していたところ、令和4年7月1日からは1分単位でその計算をすることにしたと発表し、話題になりました。関係者によると、都内の店舗で働くアルバイトの男性が、全国一般東京東部労働組合に加入し、切り捨てていた時間分の賃金を支払うように会社側に求めていたということです。
 勤務時間(労働時間)の計算について、厚生労働省では、次のような説明をしています。

高校生等のアルバイトの労働条件の確保について(要請)/割増賃金について より

1日ごとの労働時間数は分単位で把握・確定しなければならず、割増賃金の計算の際にも、その時間を基に計算する必要があります。
なお、1か月における時間外労働、休日労働及び深夜労働の各々の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げるという端数処理は例外的に認められています。

当該企業では、過去の2年間について、実際に給与として支払った金額と新管理方式で算出した場合の金額との差額相当額を、在籍する時間給で働く従業員に自主的に支払うことを決定したことも発表しました。

1日の労働時間を15分単位等で切り捨てるといった就業規則を見かけることがあります。労働基準法には賃金全額払いの原則があり、労働時間を1分単位で支払う根拠としています。今一度、給与計算の処理に不備がないかをご確認ください。

【通信8月】出生時育児休業中の就業について【法改正】


 令和4年10月、育児・介護休業法で「出生時育児休業」が施行されます。男性の育児休業促進が主な目的ですが、仕事の影響や収入減少を軽減するため、労使で合意する(労使協定)のであれば、「出生時育児休業中」の就労を認めるとしています。確認をしておきましょう。

具体的な手続きの流れ

1. 労働者が就業してもいい場合は、事業主にその条件を申出
2. 事業主は労働者が申出た条件の範囲内で、候補日・時間を提示
(候補日等がない(就業させることを希望しない)場合はその旨)
3. 労働者が同意
4. 事業主が通知
* 就業可能日等には上限がある ・休業期間中の所定労働日・所定労働時間の半分
出生時育児休業給付金の対象となるのは、一定の水準以内である必要があります。計算式は育児休業給付金と同じです。(支給単位期間に支給された賃金が休業開始時の賃金月額の80%未満であること)

【通信8月】労働者協同組合法 新たな法人形態 【法改正】


令和4年10月、労働者協同組合法が施行され、労働者協同組合に法人格が認められるようになることを背景に、「協同労働」という働き方への関心が高まっています。改正高齢法でシニアに対する創業支援措置を講ずることが努力義務の一つとされるなか、企業としても押さえておきたいトピックですね。

シニアの働き方の可能性が広がる「協同労働」

労働者協同組合とは?
出資・意見反映・労働が一体となった組織であって、地域に貢献し、地域課題を解決するための非営利の法人を簡便に設立できる制度

● 企業組合 NPO法人との違い

労働組合 NPO法人 労働者協同組合
出資 ×
設立 許可主義 認証主義 準則主義

*準則主義とは・・・
行政機関の認許可によらず、法律の規定に則っていれば法人格が付与される。
つまり、公証人役場などで定款の認証を受け、法務局に持ち込めば法人の設立が可能。

労働者協同組合法のポイント

● 組合員は加入に際し出資をし、組合の事業に従事する者とする
● 出資配当は認めない(非営利性).剰余金の配当は従事分量による
● 組合員と労働契約を締結する
● 定款、役員等、総会、行政庁による監督、企業組合・NPO法人からの組織変更、検討条項等に関する規定

定年前後の働き方について、企業に雇われる働き方でなく、フリーランスや自営業を希望するシニアは比較的多く存在しています。しかし、独立・起業のきっかけや方法が見つからずに実現できない方は多いようです。この点、協同労働は、組合員として集まったメンバーが協力し合って経営を行うものであるため、1人で事業を立ち上げて経営することに比べ、ハードルは下がります。
将来の創業を見据えた準備等のために、従業員の副業・兼業を認め支援する企業も増えてきました。ここに協同労働を加え活動を認めることも、シニアへの創業支援の一環として意義のあることでしょう。

【通信7月】男女間賃金格差の開示 大企業から義務化【法改正】


 政府がかげる「新しい資本主義」について、令和4年6月上旬に「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」が閣議決定されました。これらに盛り込まれた事項の中で、ひときわ話題になっているのが、「男女間の賃金差異の開示義務化」(女性活躍推進法)です。その内容を簡単にまとめました。


正規・非正規雇用の日本の労働者の男女間賃金格差は、他の先進国と比較して大きい.また、日本の女性のパートタイム労働者比率は高い.

情報開示は、連結ベースではなく、企業単体ごと.

男女の賃金の差異は、全労働者について、絶対額ではなく、男性の賃金に対する女性の賃金の割合で開示を求めることとする. 加えて、同様の割合を正規・非正規雇用に分けて、開示を求める.

対象事業主は、常時雇用する労働者301人以上の事業主とする.
  (101人~300人の事業主については、その施行後の状況等を踏まえ、検討を行う)

本年夏に、制度(省令)改正を実施し、施行する.

初回の開示は、他の情報開示項目とあわせて、本年7月の施行後に締まる事業年度の実績を開示する.

正規・非正規労働者による賃金格差、男女間賃金格差は、先進国と比較して日本は大きいことが問題視されています。賃金差がある場合には、説明を求められます。

【通信7月】2022年 新入社員の意識調査【労務】


 4月に入社した新入社員を対象に、東京商工会議所が就職活動の感想、社会人生活や仕事に対する意識等について調査(6月)をしています。人事担当者としては、新入社員の定着率も気になるところ。働く人の意識は年々変化しています。複数回答。


1. 社会人生活で不安に感じること
・ 仕事と私生活のバランスがとれるか(55.4%)
・ 上司,先輩,同僚とうまくやっていけるか(51.4%)
・ 仕事が自分に合っているか(49.7%)
→ 以上3項目は半数の新入社員が不安に感じている

2. 会社を選ぶ上で魅力に感じる企業制度
・ 年次有給休暇取得の推進(42.5%)
・ 時差出勤、フレックスタイム制勤務(41.9%)
・ テレワーク(36.1%) 
→ その他、研修の充実等スキルアップの制度も上位に挙がっている

3. 新入社員の意識変化
・ 定年まで働きたい(23.8%)
→ 10年前の調査と比べて12.4ポイント減少

優秀な人材確保は企業の存続に関わります。自社の状況を見直して、選ばれる企業を目指すことが求められます。国家公務員も若年者の離職が多くなり、管理者研修に力を注いでいます。

【通信7月】年金事務所の調査【行政】


 年金事務所の調査は、会社が社会保険の手続きを正しく行っているかを確認することを目的としています。間違っていれば指摘をされ、対応が求められます。原則として、調査は断ることはできません。適正に手続きをしていれば恐れることはありませんが、提出された帳簿等を、時間をかけてかなり細かくチェックされます。年金事務所の調査のポイントをまとめました。

年金事務所の調査の時期


1. 総合調査
 社会保険の全適用事業所を対象とし、抜き打ちで調査される。時期は秋頃が多い
4年に1回くらい実施。

2. 算定基礎届提出時調査
 総合調査を算定基礎届提出時に行うもの。7月~8月に日時を指定されるが変更可能

3. 申告時調査
 関係者から申告があり、調査に必要があると認めたときに実施

年金調査で調べられるポイント


1. 資格取得・喪失が適切な時期に行われているか
・ 常勤の従業員・パート・アルバイトを加入させているか ・非常勤役員の該当・非該当
・ 退職者の資格喪失を失念していないか

2. 月額変更届・算定基礎届を適切に行われているか
・ 2等級以上の固定的賃金の昇給・降給があった場合の月額変更届を提出しているか
・ 算定基礎届に残業代や交通費等を含めて計算をしているか

3. 賞与届を提出しているか
・ 臨時の給与があった場合、支払賞与届を適切な時期に提出しているか

4. 社会保険料は適切に源泉徴収されているか
・ 決定された標準月額報酬額と従業員から源泉徴収されている社会保険料が正しいか

社会保険の被保険者に該当するかどうか曖昧な場合には、労働条件通知書(雇用契約書)による場合が多いです。特に、パート・アルバイトの場合は、必ず労働条件通知書(雇用契約書)を提出しましょう。