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ニュース

【通信3月】2025年4月~雇用保険の新設給付【雇用保険】


 子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律(令和6年法律第47号)」により、雇用保険法の一部が改正され、出生後休業支援給付金、育児時短就業給付金という新たな給付金が創設されました(いずれも、令和7年4月1日施行)。厚労省から「出生後休業支援給付金」「育児短就業給付金」のリーフレットや手続に必要な書類の案内も出ています。確認をしておきましょう。

出生後休業支援給付金

 ● 出生後休業支援給付金は、出生時育児休業給付金または育児休業給付金の支給を受ける者が、一定の条件を満たした場合に上乗せで支給される給付金

 

育児時短就業給付金

 ● 育児時短就業給付金は、1歳に満たない子を養育するために所定労働時間を短縮して就業した場合に、賃金が低下するなど一定の要件を満たしたときに支給される給付金

【通信2月】令和7年度 年金額改定 1.9%引き上げ【年金】


●令和6年度の新規裁定者(67歳以下)の年金額例(令和7年1月24日プレス発表)

  令和6年度
(月額)
令和7年度
(月額)
国民年金
(老齢基礎年金 満額一人分)
68,000円 69,308円
(+1,308円)
厚生年金
(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)
228,372円 232,784円
(+4,412円)

※ 上記前提条件:厚生年金は、夫の平均標準報酬が45.5万円、40年間勤務。妻は国民年金加入のみ。
令和7年度の既裁定者(68歳以上の方)の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額 69,108円
(対前年度比+1,300円)
です。

●在職老齢年金の支給停止調整額の変更
令和6年度50万円 → 令和7年度51万円

毎年4月~年金額が改定になりますが、実際に改定額が振込まれるのは6月15日からです。
現在、給与との調整で年金が一部減額されている人は、給与が4月支払分から支給停止調整額が
51万円に変更になり、受け取れる年金が月1万円増額になります。

【通信2月】東京都カスハラ防止指針公表【法改正】


 カスタマー・ハラスメント(カスハラ)防止を目的に、令和6年10月に東京都が全国で初の条例を公布したのは記憶に新しいところです。今般、この条例に基づき、カスハラ防止のために必要な事項を定める「カスタマー・ハラスメントの防止に関する指針(ガイドライン)」が公表されました。


●カスハラの定義
 ① 顧客等から就業者に対し、
 ② その業務に関して行われる著しい迷惑行為で、
 ③ 就業環境を害するもの

●代表的な行為類型 
 例)「就業者への土下座の要求」や「就業者を拘束する行動」等の行為は刑法にも触れる可能性がある

●事業者に求められる取組 
 ① カスハラ対策の基本方針・基本姿勢の明確化と周知
 ② カスハラを行ってはならない旨の方針の明確化と周知
 ③ 相談窓口の設置
 ④ 適切な相談対応の実施
 ⑤ 相談者のプライバシー保護に必要な措置を講じて就業者に周知
 ⑥ 相談を理由とした不利益な取扱いを行ってはならない旨を定め周知
 ⑦ 現場での初期対応の方法や手順の作成
 ⑧ 内部手続(報告・相談、指示・助言)の方法や手順の作成
 ⑨ 事実関係の正確な確認と事案への対応
 ⑩ 就業者の安全の確保
 ⑪ 就業者の精神面及び身体面への配慮
 ⑫ 就業者への教育・研修等
 ⑬ 再発防止に向けた取組みを挙げてそれぞれ対応のポイントを示している。

 東京都では遵守が求められ、他の地域においても参考となる内容です。自社での対応を検討する際にも手掛かりとなるでしょう。

【通信2月】くるみん、プラチナくるみん認定基準等が改正(厚労省)【法改正】


 次世代育成支援対策推進法は急激な少子化の進行に対応するため2005年に施行され10年間の時限立法でしたが、2014年に引き続き2度目の延長となり、2035年3月まで延長されています。「一般事業主行動計画」は労働者が101人以上の会社と一定の助成金申請時に策定・届出・公表・周知を求められています。2025年4月から次世代育成支援対策推進法に基づく省令及び指針が公布され、厚生労働大臣による認定制度(くるみん、プラチナくるみん、トライくるみん)について、その認定基準の見直しなどが図られました。

認定制度の認定基準の見直し(厚労省リーフレットより)

 これらの認定を受けると、認定マークを受けることができ、それを名刺やホームページに表示することで「子育てサポート企業」としてアピールことができます。認定されている会社は、性別に関わりなく学生にとって応募動機の一つになるようです。

【通信1月】マイナポータルへの「離職票」の直接送付を開始【雇用保険】

      ↑厚生労働省のリーフレットより

2025年(令和7年)1月20日から、希望する離職者のマイナポータルに「離職票」を直接送付するサービスが開始されます。「離職票(雇用保険被保険者離職票)」は、離職者が雇用保険の求職者給付(基本手当等)を受給するために必要となる書類で、ハローワークが交付するものです。今までは会社がハローワークから「離職票」を受け取り、退職者に渡たしていましたが、その作業がなくなることになります。このサービスを受けるためにはいくつかの条件があります。不明な点は度相談ください。

【通信1月】退職後、健康保険任意継続被保険者【健康保険】


 退職後の健康保険は、すぐに再就職をしないかぎり国民健康保険に加入ということになりますが、2年間に限って任意継続被保険者という選択肢もあります。令和7年度は任意継続被保険者の標準報酬月額の上限変更があります。任意継続被保険者のしくみをおさらいしておきましょう。

令和7年度 協会けんぽの任意継続被保険者の標準報酬月額の上限は32万円

1.協会けんぽの任意継続被保険者の標準報酬月額は健康保険法により決められている
  (1) 資格喪失した時の標準報酬月額
  (2) 前年の9月30日時点における全ての協会けんぽの被保険者の標準報酬月額の平均額のどちらか少ない額と規定されている
 令和6年9月30日時点における協会けんぽ被保険者の標準報酬月額の平均額は312550円(標準報酬月額第23級:32万円に該当)

2.退職後、本人が申請
  (1) 退職日までに継続して2か月以上の被保険者期間がある
  (2) 退職日から20日以内に「任意継続被保険者資格取得申請書」を提出
     退職を証明できる書類を添付

3.保険料は会社負担分も支払う

4.扶養者もそのまま扶養として継続できる(別申請)

5.任意継続被保険者の加入期間は最大2年間
  「資格喪失申出書」を提出すれば資格喪失できる
  保険料未納にすると納付期限の翌日に資格喪失となる 

【通信1月】制度変更の方向性を整理【労務】


 新しい年になりました。今年も法改正等が各方面で予定されています。社会保障制度をはじめとして、労働基準関係法制、労働安全衛生対策、ハラスメント対策などについて、今後の改革(制度変更)の方向性が立て続けに示されていますので、整理してみました。主に企業実務に影響がありそうなものを紹介します。

主な社会保障制度・労働基準関係法制等の制度変更方向性

<社会保障制度関係>
 ☑ 短時間労働者への被用者保険の適用について、企業規模要件(従業員51人以上)
 ☑ 加えて、被保険者となる方の手取りが減らないよう、保険料の事業主負担割合を企業の判断で引き上げられる仕組みの導入も検討
 ☑ 被用者保険の適用について、常時5人以上を使用する個人事業所の非適用業種の解消を図る
 ☑ 在職老齢年金を見直す(廃止or基準額62万または71万への引き上げ)
 ☑ 厚生年金保険の標準報酬月額の上限(現行65万円)を引き上げる
 ☑ 高額療養費の自己負担限度額を見直す(引き上げ&所得区分の細分化) 

<労働基準関係>
 ☑ テレワークの実態に合わせたフレックスタイム制(コアデイの導入)を検討する
 ☑ 定期的な休日の確保のため、「13日を超える連続勤務をさせてはならない」旨の規定を労働基準法上に設ける 

<労働安全衛生関係>
 ☑ ストレスチェックの実施義務対象を50人未満の全ての事業場に拡大する 

<女性活躍推進・ハラスメント関係>
 ☑ 101人以上300人以下の企業においても、男女間賃金差異の情報公表を義務とする
 ☑ 女性管理職比率の情報公表を義務とする(義務の対象は、101人以上の企業)
 ☑ カスタマーハラスメント対策を、事業主の雇用管理上の措置義務とする 

<今後の規制・制度改革の検討課題>
 ☑ 賃金向上、人手不足対応のため、次のような事項を検討する
  ・「年収の壁」支援強化パッケージの手続き円滑化
  ・副業・兼業の円滑化(過度な競業避止義務の抑制)
  ・時間単位の年次有給休暇制度の見直し 

 令和7年度になると、社会保険法・労働法各方面で制度変更の内容が具体化されていく予定でいます。動向に注視して、必要な情報を適時お伝えするようにします。方向性はつかんでいただいて、可能な限り事前の準備をしておきましょう。

【通信12月】(新様式)健康保険の被保険者資格取得届等【社会保険】


 令和6年12月2日から、健康保険証の新規発行が終了し、健康保険証を利用登録したマイナンバーカード(マイナ保険証)で医療機関等を受診する仕組みに移行されることになりましたが、マイナンバーカードをお持ちでない等、マイナ保険証を利用することができない状況にある方については、保険者が発行する「資格確認書」で受診することができます。この仕組みの変更に伴い、「被保険者資格取得届」と「被扶養者(異動)届」には、資格確認書発行要否のチェック欄が設けられることになりました。その新様式を確認しておきましょう。

「資格確認書発行要否のチェック欄」を忘れずに!

新たに被保険者や被扶養者になる方が資格確認書を必要とする場合は、「被保険者資格取得届」または「被扶養者(異動)届」の資格確認書発行要否のチェック欄にチェックを入れて提出することになります。その確認を忘れずにしましょう。
なお、すでに被保険者、被扶養者である方が資格確認書を必要とする場合は、別途、保険者(全国健康保険協会又は健康保険組合)に申請することが基本となりますが、保険者が職権で資格確認書を交付することも可能となっていますので、各保険者の対応に従うようにしましょう。

【通信12月】2035年日本は385万人相当の労働力不足の見込み【労働情報】


 今年に入り「採用がより厳しくなったという」人事担当者からの声が数多く届きました。パーソナル総合研究所と中央大学が共同研究をした「労働市場の未来推計2035」の結果を取り上げてみましょう。

「労働市場の未来推計2035」 主なポイント


1.2035年は2023年よりも労働力不足が1.85倍深刻になる
 日本では1日あたり1775万時間(385万人相当)の労働力不足が見込まれる

2.就業者数(労働供給)は、増加する
 就業者数(労働供給)は、2023年時点の6747万人に対して、2030年は6959万人、2035年には7122万人と増加が見込まれる

3.女性の労働力率の上昇幅が大きい
 性年代別にみた労働力率は2023年時点から全体的に上昇していくが、特に女性60代の上昇が大きいと見込まれる

4.外国人就業者数は、増加する
 外国人就業者数は、2023年時点の205万人に対して、2030年に305万人、2035年には377万人と増加していく見込みである

5.就業者一人あたりの年間労働時間は減少
 就業者一人あたりの年間労働時間は、2023年の1850時間に対して、2030年に1776時間、2035年には1687時間と減少していく見込みである

6.「サービス業」「卸売・小売業」「医療・福祉」の労働力不足が厳しい
 産業別で見ると、「サービス業」が532万時間、次いで「卸売・小売業」が354万時間、「医療・福祉」が226万時間の労働力不足となる

7.「事務従事者」「専門的・技術的職業従事者」「サービス職業従事者」の労働力不足が厳しい
 職業別でみると、「事務従事者」が365万時間、次いで「専門的・技術的職業従事者」が302万時間、「サービス職業従事者」が266万時間、「販売従事者」が245万時間の労働力不足となる

8.東北エリアの労働力不足率が高くなる
 都道府県別では、特に東北エリアの労働力不足率が高くなる見込みである
 労働力不足率の上位は秋田19.1%、山形16.4%、長崎16.2%

2035年は遠い未来ではありません。内閣府は働き方改革とともに生産性アップの工夫を企業に求めています。労働力確保と不足を補う対策を今から考えていかなければなりませんね。