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ニュース

【通信7月】男女間賃金格差の開示 大企業から義務化【法改正】


 政府がかげる「新しい資本主義」について、令和4年6月上旬に「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」が閣議決定されました。これらに盛り込まれた事項の中で、ひときわ話題になっているのが、「男女間の賃金差異の開示義務化」(女性活躍推進法)です。その内容を簡単にまとめました。


正規・非正規雇用の日本の労働者の男女間賃金格差は、他の先進国と比較して大きい.また、日本の女性のパートタイム労働者比率は高い.

情報開示は、連結ベースではなく、企業単体ごと.

男女の賃金の差異は、全労働者について、絶対額ではなく、男性の賃金に対する女性の賃金の割合で開示を求めることとする. 加えて、同様の割合を正規・非正規雇用に分けて、開示を求める.

対象事業主は、常時雇用する労働者301人以上の事業主とする.
  (101人~300人の事業主については、その施行後の状況等を踏まえ、検討を行う)

本年夏に、制度(省令)改正を実施し、施行する.

初回の開示は、他の情報開示項目とあわせて、本年7月の施行後に締まる事業年度の実績を開示する.

正規・非正規労働者による賃金格差、男女間賃金格差は、先進国と比較して日本は大きいことが問題視されています。賃金差がある場合には、説明を求められます。

【通信7月】2022年 新入社員の意識調査【労務】


 4月に入社した新入社員を対象に、東京商工会議所が就職活動の感想、社会人生活や仕事に対する意識等について調査(6月)をしています。人事担当者としては、新入社員の定着率も気になるところ。働く人の意識は年々変化しています。複数回答。


1. 社会人生活で不安に感じること
・ 仕事と私生活のバランスがとれるか(55.4%)
・ 上司,先輩,同僚とうまくやっていけるか(51.4%)
・ 仕事が自分に合っているか(49.7%)
→ 以上3項目は半数の新入社員が不安に感じている

2. 会社を選ぶ上で魅力に感じる企業制度
・ 年次有給休暇取得の推進(42.5%)
・ 時差出勤、フレックスタイム制勤務(41.9%)
・ テレワーク(36.1%) 
→ その他、研修の充実等スキルアップの制度も上位に挙がっている

3. 新入社員の意識変化
・ 定年まで働きたい(23.8%)
→ 10年前の調査と比べて12.4ポイント減少

優秀な人材確保は企業の存続に関わります。自社の状況を見直して、選ばれる企業を目指すことが求められます。国家公務員も若年者の離職が多くなり、管理者研修に力を注いでいます。

【通信7月】年金事務所の調査【行政】


 年金事務所の調査は、会社が社会保険の手続きを正しく行っているかを確認することを目的としています。間違っていれば指摘をされ、対応が求められます。原則として、調査は断ることはできません。適正に手続きをしていれば恐れることはありませんが、提出された帳簿等を、時間をかけてかなり細かくチェックされます。年金事務所の調査のポイントをまとめました。

年金事務所の調査の時期


1. 総合調査
 社会保険の全適用事業所を対象とし、抜き打ちで調査される。時期は秋頃が多い
4年に1回くらい実施。

2. 算定基礎届提出時調査
 総合調査を算定基礎届提出時に行うもの。7月~8月に日時を指定されるが変更可能

3. 申告時調査
 関係者から申告があり、調査に必要があると認めたときに実施

年金調査で調べられるポイント


1. 資格取得・喪失が適切な時期に行われているか
・ 常勤の従業員・パート・アルバイトを加入させているか ・非常勤役員の該当・非該当
・ 退職者の資格喪失を失念していないか

2. 月額変更届・算定基礎届を適切に行われているか
・ 2等級以上の固定的賃金の昇給・降給があった場合の月額変更届を提出しているか
・ 算定基礎届に残業代や交通費等を含めて計算をしているか

3. 賞与届を提出しているか
・ 臨時の給与があった場合、支払賞与届を適切な時期に提出しているか

4. 社会保険料は適切に源泉徴収されているか
・ 決定された標準月額報酬額と従業員から源泉徴収されている社会保険料が正しいか

社会保険の被保険者に該当するかどうか曖昧な場合には、労働条件通知書(雇用契約書)による場合が多いです。特に、パート・アルバイトの場合は、必ず労働条件通知書(雇用契約書)を提出しましょう。

【通信6月】2022年度賃上げは? 実施予定45.8% 労災保険と健康保険の間の調整【労務】


 日本・東京商工会議所は、全国の中小企業を対象に「最低賃金引き上げの影響及び中小企業の賃上げに関する調査を行いました。調査結果の主なポイントは以下の通りです。


調査期間:2022年2月7日~28日 回収企業数:3222社

* 賃金を引き上げた従業員の属性はパート・アルバイトが多い
* 最低賃金額の負担感はあると回答した企業は65.4%
* 今年の最低賃金の上げをすべきと答えた企業割合が多く、昨年より増えた
* 2022年度賃金上げを実施予定と回答した企業は45.8%。そのうち7割は「業績の改善はみられないが賃上げを実施(防衛的な賃上げ)予定」と回答している

社員のモチベーション向上や人材確保・採用を目的に、厳しいなかでも賃上げを行うという傾向がみられました。

【通信6月】基礎年金番号通知書と年金手帳【年金】


 令和4年4月施行の改正により、「年金手帳から基礎年金番号通知書への切替え」が図られています。企業実務に影響がある事項もありますので、そのポイントを紹介します。

基礎年金番号通知書は被保険者あてに送付 年金手帳の位置づけも要確認


<「基礎年金番号通知書」の送付>
■ これまで、事業所を通じて提出された届書等に基づいて発行される「年金手帳」は、日本年金機構から事業所あてに送付されてたが、令和4年4月以降、「年金手帳」に替わって発行される「基礎年金番号通知書」は、原則として、日本年金機構から被保険者あてに送付される
■ ただし、あて先不明等の理由で、被保険者に届けることができなかった場合には、日本年金機構から事業所あてに送付される. この場合には、事業主を通じて被保険者に交付することになる。

<改正後の「年金手帳」の位置づけ>
■ 基礎年金番号通知書」の発行の対象となるのは、原則として令和4年4月以降に新規に国民年金の被保険者の資格を取得した者.既に「年金手帳」がある者には「基礎年金番号通知書」の発行されない
■ 既に「年金手帳」の交付を受けている場合には、基本的に「年金手帳」を基礎年金番号の確認等に利用.
 → 年金手帳は、今後も「基礎年金番号を明らかにすることができる書類」として有効.

厚生年金保険の資格取得時等に確認している「基礎年金番号」は、今後も、「年金手帳」から確認できます。年金手帳が使えなくなったわけではないので注意しましょう。なお、日本年金機構では、年金手帳をお持ちの方に対しては、「引き続き年金手帳を大切に保管してください」と呼びかけています。

【通信6月】年度更新 概算保険料(雇用保険)の記入に注意 働【労働保険】


 令和4年度においては、雇用保険料率が年度の途中で引き上げられます。そこで、令和4年度の労働保険料の申告・納付(年度更新)における雇用保険分の概算保険料については、年度の前期(令和4年4月1日から同年9月30日まで)の概算保険料額と、年度の後期(令和4年10月1日から令和5年3月31日まで)の概算保険料額をそれぞれ計算し、その合計額を、雇用保険分の概算保険料として申告・納付することとする暫定措置が適用されることになっています。
 具体的にどのように対応するのか、そのポイントを紹介します。

年度更新申告書 記入のポイント

★申告書に付いてくる「確定保険料算定基礎賃金集計表」→『概算保険料(雇用保険分)算定内訳(下記参照)』を用いて算出した額を転記します。

※1
 ②欄の (イ)、(ロ) については、①欄の適用期間中に使用する予定の労働者に係る賃金総額の見込額(千円未満の端数が生じる場合は、その端数について、切り捨ててください。)を記入してください。ただし、令和4年度の賃金総額の見込額が、前年度の賃金総額と比較して、2分の1以上2倍以下の額となる場合には、前年度の賃金総額の2分の1の額(その額に千円未満の端数が生じる場合は、その端数について、(イ) は切り上げ、(ロ) は切り捨ててください。)をそれぞれ記入してください。

※2
 ③欄の (ハ)、(ニ) については、①欄の適用期間中の雇用保険率を記入してください。

※3
 ④欄の (ホ)、(ヘ) については、1円未満の端数が生じた場合であってもその端数は切り捨てず、(ホ)+(ヘ) については、1円未満の端数が生じた場合にはその端数を切り捨ててください。 

以下 略

なお、厚生労働省からは、電子申請の際の注意事項も案内されています。その点も含め、不明な点があれば、気軽にお声掛けください。

【通信5月】被保険者は、週20時間以上の所定労働時間【雇用保険】


 雇用保険の被保険者は週20時間以上の所定労働時間が必要と知っていても、短時間・短日労働者の場合に、被保険者に該当するかどうか迷う場合があります・・・


1. 原則は雇用契約書の所定労働時間で判断。通常勤務をすれば週20時間以上(シフト制で月87時間以上)と雇用契約書に記載があれば、実際6ヶ月平均で所定労働時間が20時間未満(大幅な減少でなければ)だとしても、失業手当の手続きはできる

2. 雇用契約書の所定労働時間と乖離(減少)した時点で雇用保険被保険者の資格喪失届を提出する

3. 雇用契約書の所定労働時間と乖離(増加)した時点で雇用保険被保険者の資格取得届を提出する

* 2.3.の場合には雇用契約書を修正して再交付しましょう!

* 社会保険の被保険者に該当するかどうかを判断する所定労働時間も、上記と同じ考え方です

【通信5月】5月は「自転車月間」保険加入の確認を!【労務】


 「運動不足解消のため」「満員電車の密を避けるため」等を理由に、自転車利用が増えています。自転車の通勤や業務での利用を認めている企業は、従業員が自転車保険等の加入をしているか必ず確認をしておきましょう。

自転車利用の実態によっては会社責任(損害賠償請求)
自転車事故によって他人の生命や身体を害した場合に、加害者が高額の損害賠償を命じられる判決事例も、近年、相次いでいる。業務中・通勤途上の自転車事故については、利用の実態や事故発生時の状況により会社責任が問われることもあり、注意が必要。従業員個人の責任だけですまないケースがある。
自転車保険等への加入は条例で義務づけ
被害者救済の観点から自転車保険等への加入促進を図るため、自転車活用推進本部(本部長:国土交通大臣)では「自転車損害賠償責任保険等への加入促進に関する標準条例」を作成・通知して、条例による自転車保険等への加入義務づけを要請。令和3年4月1日現在、自転車保険等への加入について、義務とする条例が22都府県、努力義務とする条例が10道県で制定されている。

たとえば東京都では、自転車の利用者に対し、対人賠償事故保険への加入が義務化され、あわせて、自転車を業務で使用する事業者にも同様の義務を課している。また、自転車を通勤に利用する従業員がいる事業者に、自転車通勤者が保険に加入していることを確認する努力義務が課されている。

車通勤者には保険加入の確認をしていても、自転車通勤者には保険加入の確認をしていない企業が見受けられます。事業者責任は同じ。自転車月間に毎年確認すると決めておくといいでしょう。

【通信5月】令和4年度 厚生労働省関係制度変更チェック!【労務】


 令和4年4月からの厚生労働省関係の制度変更について、労務実務に影響がある事項をもう一度確認しておきましょう。準備はできていますか?

主な制度変更 重要事項チェック


□ 雇用保険制度の見直し
【主な対象者:事業主及び労働者】

・ 雇用保険料率を、年度前半(4月~9月)、年度後半(10月~令和5年3月)に分けて、段階的に引き上げ。

□ 女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の策定等の義務企業拡大
【主な対象者:常時雇用する労働者数が101人以上300人以下の事業主

・ 女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の策定・届出、情報公表等が常時雇用する労働者数301人以上の事業主に義務付けられているところ、令和5年4月1日より、101人以上300人以下の企業にも拡大。

□ 職場におけるパワーハラスメント防止措置の中小企業事業主への義務化
【主な対象者:中小事業主】

・ 令和4年4月1日から、職場におけるパワーハラスメントを防止するために事業主が雇用管理上講ずべき措置を講ずることを、中小事業主についても義務化。

□ 不妊治療と仕事との両立に係る認定制度の創設
【主な対象者:事業主】

・ 不妊治療と仕事との両立しやすい環境整備に取り組む事業主を認定する「くるみんプラス」制度を新設。

□ 育児休業制度等の個別の周知と意向確認、育児休業を取得しやすい雇用環境整備の義務付け
【主な対象者:全ての事業主】

・ 本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出た労働者に対して、事業主は、育児休業制度や申出先等に関する事項の周知と休業の取得意向確認を個別に行う必要がある。
・ 育児休業等の申し出が円滑に行われるようにするため、事業主に研修の実施や相談窓口の設置等複数のうちから1つの措置を講じることを義務付け。

□ 有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和
【有期雇用労働者及び事業主】

・ 有期雇用労働者の育児休業及び介護休業の取得要件のうち「事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者であること」という要件を廃止。

おおむね、これまでにも紹介していた制度変更ですが、今一度確認しておきましょう。全く対応していない、対応に不安があるなど、気軽にご相談ください。なお、雇用関係の助成金などについても、令和4年度における新しい情報が徐々に公表されています。助成金の申請書類や支給条件は刻々と変わる場合があります。助成金申請の際には、必ず現時点のルールを確認しましょう。

【通信4月】厚労省 カスハラ対策マニュアル公表【労務】


 令和4年2月下旬、厚生労働省は、関係省庁と連携の上、顧客等からの著しい迷惑行為(いわゆるカスタマーハラスメント)の防止対策の一環として、「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」、マニュアルの概要版であるリーフレット及び周知・啓発ポスターを作成し、これらを公表しました。迷惑行為への対応に困っている企業もあると思います。マニュアルの一部を紹介しましょう。

マニュアル抜粋
■ カスタマーハラスメントとは

ステップ1: カスハラの判断基準を明確にする 
ステップ2: 会社の方針を決める 
ステップ3: 顧客の要求の妥当性の判断  
ステップ4: 対応方法を会社内で統一(社会通念上相当な範囲)

「これってカスハラ?」と従業員が思ったときに判断基準があると対応が早くできます。各企業であらかじめ判断基準を明確にし、企業内の考え方、対応方針を現場と共有しておくことが重要です。過去の事例、他社の事例から顧客の要求内容に妥当性があるのか、要求を実現するための手段・態様が社会通念上に照らして、相当な範囲か事前に考えておきましょう。