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【通信10月】令和元年の公的年金の財政検証【年金】

【通信10月】令和元年の公的年金の財政検証【年金】


 公的年金制度は長期的な制度であるため、社会・経済の変化を踏まえ、少なくとも5年ごとに、財政検証を実施することとされています。
 令和元年(2019年)は、財政検証の年に当たるので、その公表が待たれていましたが、8月末にその結果が公表されました。今回の財政検証については、「年金制度改正の必要性」を強調したものとなっています。その概要を紹介しましょう。


■■ 経済成長と労働参加が進めば年金維持 ■■

● 経済成長と労働参加が進むケース(将来の実質経済成長率0.9~0.4%)では?
 → マクロ経済スライド終了時に、所得代替率は50%以上を維持。

● 経済成長と労働参加が一定程度進むケース(将来の実質経済成長率0.2~0.0%)では?
 → 2040年代半ばに所得代替率が50%に到達。その後もマクロ経済スライドによる調整を機械的に続けた場合、その終了時には所得代替率は40%台半ばに。

● 最悪のケース(将来の実質経済成長率▲0.5%)では?
 → マクロ経済スライドによる調整を機械的に続けたとしても、国民年金は2052年度に積立金がなくなり、完全な賦課方式に移行。その後、保険料と国庫負担で賄うことができる給付水準は、所得代替率38~36%程度にまで落ち込む。
   〈補足〉所得代替率とは、簡単に言えば、
   「モデル世帯(夫婦二人)の年金月額÷現役世代の男性の平均月給(手取り)」


■■ 被用者保険の適用拡大や保険料拠出期間の延長の法改正が有効 ■■

● 試算A(被用者保険の更なる適用拡大を実施したと仮定した場合)
 → これを実施すると、所得代替率や、基礎年金の水準確保に効果が大きい。

● 試算B(保険料拠出期間の延長と受給開始時期の選択〔具体的には下記参照〕を実施したと仮定した場合)
・基礎年金の加入期間の延長
・在職老齢年金の見直し(廃止)
・厚生年金の加入年齢の上限の引上げ(75歳まで)
・就労延長と受給開始時期の選択肢の拡大
 → これらを実施すると、年金の水準確保に効果が大きい。

試算A、試算Bの法改正の準備を進めるために、財政検証の内容になっています。被用者保険の更なる適用拡大(500人以下の従業員数の会社も週20時間以上で社会保険被保険者)や厚生年金の加入年齢の上限の引上げは、企業実務にも大きな影響を及ぼしますので、その動向から目が離せません。

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