厚生労働省において、転倒防止・腰痛予防対策の在り方に関する検討会が開催されています。近年、特に小売業や介護施設等を中心に「転倒」「腰痛」が増加しており、従来の対策では十分な成果を上げることができていない状況にあることから、転倒防止・腰痛予防対策の在り方および具体的な対策の方針等について検討しているものです。
中間整理案の骨子一部抜粋
1. 安全衛生教育の在り方
労働者への雇入時教育等の安全衛生教育やその責任者への教育については、一定時間の座学を実施、アプリ等も活用する
労働者への雇入時教育等の安全衛生教育やその責任者への教育については、一定時間の座学を実施、アプリ等も活用する
2. 労働者の健康づくり
事業場において理学療法士等も活用して労働者の身体機能の維持改善を図る.骨密度、「ロコモ度(立ち上がり・歩幅)」視力等の転倒(・腰痛)に影響する身体的要因を自覚させることも必要
骨密度は通常の健康診断には項目がないので、労働者に計測を促してみましょう。特に女性は50代から減少傾向にあり、転倒、骨折、膝痛、腰痛の要因に一つになっています。また、ロコモ度はネットで検索をすると「ロコモチャレンジ!推進協議会」がロコモ度チェックの方法や予防を公開しています。安全衛生教育に取り入れてはいかがですか?
職場における腰痛予防対策指針の概要から一部抜粋
1. 重量物取扱い作業
* 作業の自動化・省力化
* 重量の制限(男性は体重の40%以下、女性は男性の60%程度)
* 作業の自動化・省力化
* 重量の制限(男性は体重の40%以下、女性は男性の60%程度)
2. 立ち仕事
* 労働者の体型を考慮した作業機器や作業台の配置
* クッション性のある靴、マットの利用
3. 座り仕事
* 労働者の体格に合った椅子の使用
* 直接床に座る作業の回避
4. 介護・看護作業
* 福祉用具の利用
* 作業姿勢の改善(人力による人の抱上げは行わせない)
5. 車両運転等の作業
* 長時間運転した後に重量物を取り扱う場合、小休止・ストレッチを行った後に作業する
この指針の資料は具体的な対策を提案しています。厚生労働省HPに公開しています。転倒による骨折や腰痛を予防し、事業所にも労働者にもよい取組に役立ててください。