内閣府から、令和6年度「年次経済財政報告(経済財政白書)」が公表されました。今回の白書のテーマの一つに「高齢者就業の現状と課題」が含まれており、高齢労働者が培ってきた知識や経験といった有形・無形のストックについて、これをいかに有効に活かし、経済につなげていけるかが議論されています。そのなかで取り上げられていた「定年後の高齢雇用者の賃金水準」に関する分析の内容が話題になっています。
定年後の高齢雇用者の賃金水準(令和6年度 経済財政白書より)
● 定年後の高齢者の賃金を定年前の6~7割程度とする企業が45%と最も多いが、定年前の8割以上とする企業が増加し、現在、企業の約40%に!
再雇用者の賃金水準についての裁判が次々と行われている。その影響などもあり、定年後の賃金水準を定年前の6割未満としている企業は全体の1割未満となっている。
さらに、この5年間の動向をみると、定年前収入の7割程度以下の賃金とする企業の割合が約15%ポイント減少する一方で、逆に、8割程度からほぼ同程度とする企業の割合が約15%ポイント増加している。
その結果、定年前収入の8割以上とする企業が、現在、全体の約40%になっている(上図参照)。
さらに、この5年間の動向をみると、定年前収入の7割程度以下の賃金とする企業の割合が約15%ポイント減少する一方で、逆に、8割程度からほぼ同程度とする企業の割合が約15%ポイント増加している。
その結果、定年前収入の8割以上とする企業が、現在、全体の約40%になっている(上図参照)。
15~65歳の生産人口は減少しており、高年齢者雇用安定法では令和3年4月から「70歳までの就業確保措置を努力義務」としています。経済財政白書では、「人手不足感の高い企業ほど、高齢層を貴重な労働の担い手と考え、引留めやモチベーション引上げのために、定年前からの賃金の引下げ幅を縮小させている可能性がある」と分析しています。
60歳定年の企業でも、60代前半の再雇用実態が少しずつ現役と変らない働き方になってきたようです。
60歳定年の企業でも、60代前半の再雇用実態が少しずつ現役と変らない働き方になってきたようです。