人事院が国家公務員の定年を60歳から段階的に65歳まで引き上げるよう求める意見書を国会と内閣に提出したことが話題になっています(提出は、平成30年8月10日)。政府は、来年の通常国会に、職員の定年の引き上げなどを柱とする国家公務員法等の改正法案を提出することを目指しています。
■■ 人事院の意見のポイント(主に) ■■
● 定年を段階的に65歳まで引上げ
*60歳定年後再任用職員の勤務形態は短時間勤務の者が8割。公務能率の低下が懸念され、職員側も無年金期間が拡大する中、生活への不安が高まるおそれがある。定年引上げ開始前を含めフルタイム再任用拡大の取り組み。
● 民間企業の実情を考慮し、60歳超職員の年間給与を60歳前の70%水準に設定
*「賃金構造基本統計調査」による60歳台前半層の年間給与水準は60歳前の70%であることをふまえた。
給与の引き下げは当分の間とし、民間給与動向をふまえ60歳前の給与カーブも検討。
● 能力・実績に基づく人事管理の徹底、役職定年制の導入により組織活力を維持
*評価に基づく昇進管理の厳格化。職員の将来のキャリアプランに関する意向把握。
● 短時間勤務制の導入や本人の意向を通じ60歳超の多様な働き方を実現
少子・高齢化で労働力の確保が難しくなる中、意欲と能力のある高齢者が働ける環境を整えていくことは、官民共通の課題です。定年延長また継続雇用制度延長に向けて、国は加速を付けていきたいようです。国家公務員の定年延長が実現すれば、民間企業にも大きな影響がありますね。