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【通信9月】令和4年度 長時間労働監督指導【労務】

【通信9月】令和4年度 長時間労働監督指導【労務】


 令和4年4月1日から、中小企業も時間外労働月60時間超の割増賃金が5割増になりました。また、労基法改正による時間外労働時間の上限規制も厳しくなりました。コロナ禍の活動停止から徐々に日常に戻る中で、労基署の臨検、監督指導も動き始めています。令和4年度の監督指導実施状況のポイントと主な事例を確認しておきましょう。

令和4年度 監督指導実施状況のポイント


令和4年4月から令和5年3月までに、33,218事業場に対し監督指導を実施
~26,968事業場(81.2%)で労働基準関係法令違反が認められた~

<主な法違反>
・違法な時間外労働があったもの
 → 14,147事業場(42.6%)
・賃金不払残業があったもの
 → 3,006事業場(9.0%)
・過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの
 → 8,852事業場(26.6%)


● 倉庫業の事業場(労働者約100人)で勤務する労働者からの長時間労働の実態があるという情報に基づき、立入調査を実施

1. 倉庫内で商品の仕分けを行う労働者11人について、業務量に比して人員体制が不十分であったことから、36協定で定めた上限時間(特別条項:月79時間)を超え、かつ労働基準法に定められた時間外・休日労働の上限(月100時間未満、複数月平均80時間以内)を超える、最長で1ヶ月当たり201時間の違法な時間外・休日労働が認められた。
……労働基準法32条違反及び36条6項違反で是正勧告

2.また、常時50人以上の労働者を使用しているにもかかわらず、労働者に対して心理的な負担を把握するためのストレスチェックを実施していなかった。
……労働安全衛生法66条の10違反で是正勧告

上記で紹介した監督指導事例は極端な例かもしれませんが、月80時間を超えるような時間外・休日労働が常態化している場合、過労死等のリスクが高くなり、労働基準法に規定されている時間外労働の上限規制に抵触するおそれもあります。また、労働安全衛生法で常時50人以上の労働者を使用している事業場に義務付けられているストレスチェックについても、実施を怠っていると指導・勧告の対象となります。
企業が遵守すべき労働基準関係法令のルールは多々あります。違反がないか、定期的にチェックしておく必要があるでしょう。不明な点等があれば、気軽にお声掛けください。

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