厚生労働省から、「監督指導による賃金不払残業の是正結果(平成31年度・令和元年度)」が公表されました。令和2年4月1日施行の改正で、労働基準法における賃金の消滅時効の期間が「2年」から「3年(当分の間)」に延長されたこともありますので、日頃から、労働時間は適正に把握しておく必要があります。
● 是正企業数
⇒1,611企業(前年度比157企業の減)
うち、1,000万円以上の割増賃金を支払ったのは、161企業(前年度比67企業の減)
● 対象労働者数
⇒7万8,717人(同3万9,963人の減)
● 支払われた割増賃金合計額
⇒98億4,068万円(同26億815万円の減)
● 支払われた割増賃金の平均額
⇒1企業当たり611万円、労働者1人当たり13万
☆ 平成31年度・令和元年度は、ほとんどの項目で、前年度に比べ減少傾向となっていますが・・・
支払われた割増賃金の平均額は、1企業当たり611万円、労働者1人当たり13万円
労働基準法の改正で、令和2年4月~賃金の消滅時効は3年になっています。(小野事務所通信2020年1月号参照)いずれ賃金の消滅時効は5年になります。上記の賃金不払残業の金額は時効が2年で計算されているため、令和4年度以降になると、同じ残業時間を是正された場合には当然に支払われる割増賃金が増えることになります。
●賃金請求権の該当賃金は不払残業だけではありません!
〈主な該当賃金〉1通常賃金
2休業手当・・・今年は休業の事業所も多いですが、不払いはありませんか?
3出来高払いの保障給 4時間外・休日労働に対する割増賃金
5有給休暇期間中の賃金