近年の事業者の公益通報への対応状況及び公益通報者の保護を巡る国内外の動向により、令和7年6月11日、改正公益通報者保護法が公布され、公益通報者の保護が強化されました。公布から1年6月以内に施行されます。主な内容を見て行きましょう。
● 公益通報とは
企業などの事業者による一定の違法行為を、労働者(派遣労働者、取引先の労働者、公務員も含む)・退職後1年以内の退職者・役員が、不正の目的でなく、組織内の通報窓口、権限を有する行政機関や報道機関等に通報すること
● 改正公益通報者保護法の概要
1.公益通報に適切な体制整備の徹底と実効性の向上(常用労働者数300人以上の事業者)
*勧告、立入検査に従わない場合は刑事罰の新設(30万円以下の罰金、両罰)
2.公益通報者の範囲拡大
*フリーランスを追加
3.公益通報を阻害する要因への対処 (正当な理由がない場合)
*公益通報をしない合意を無効とする
*公益通報者を特定することを禁止
4.公益通報を理由とする不利益な取扱いの抑止・救済の強化
*通報後1年以内の解雇又は懲戒は公益通報を理由としてされたものと推定する
*公益通報を理由として解雇又は懲戒をした者に対し、直罰(6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金、両罰)、法人に対する法定刑を3000万円以下の罰金とする