厚生労働省は、令和8年3月初旬、いわゆる働き方改革関連法施行後5年の状況を把握するため、労働者を対象とするアンケート調査と企業・労働者を対象とするヒアリング調査を実施し、その結果を取りまとめました(アンケート調査の有効回収数は3,000、ヒアリング調査の対象は327社・97人)。
高市総理の今国会の施政方針演説で話題となった労働時間上限の見直しですが、ここでは「労働時間の増減希望状況(アンケート調査のひとつ)」を中心に、そのポイントを紹介します。
「働き方改革関連法施行後5年の総点検から労働時間の意識・意向のポイント
今後の労働時間に対する意向に関する内訳は以下で、現状維持を望む割合が最も多い
◆労働時間等に関する労働者の意識・意向アンケート調査(有効回収数 3,000)より
1. 増やしたい、やや増やしたい:全体の10.5%
理由)「たくさん稼ぎたい」、「自分のペースで仕事をしたい」等
2. このままでよい:全体の59.5%。
理由)「仕事と生活のバランスを変えたくない」、「労働時間が増えると体調に影響が出る」等
3. 減らしたい、やや減らしたい:全体の30.0%。
理由)「自分の時間を持ちたい」、「自分の健康を害しないため」、「割に合わないから」等
◆企業ヒアリング調査(327社)より
1. 増やしたい:53社
理由)「業務の性質の観点から」、「受注量を増やす観点から」、「労働者の希望の観点から」
2. 現状のままがいい:201社
理由)「現在の業務量との観点から」、「労働者の健康確保・ワークライフバランスの観点から」、「人材確保・定着の観点から」等
3. 減らしたい:73社
理由)「人材確保・定着の観点から」、「労働者の健康確保・ワークライフバランスの観点から」、「人件費抑制の観点から」等
また、企業ヒアリング調査の一つ、「労働者側から「労働時間を増やしたい」との声があがることがあるか」に対しては、「あり」が140社、「なし」は187社と、やや「なし」が多いようです。働き方改革で労働時間の削減が進みましたが、労働時間の緩和策がとられるのでしょうか。今後の動向が注目を集めそうです。