日本の健康保険制度は保険証があれば誰でも1~3割の自己負担で受診できる。ところが昨今、留学や技能実習制度を利用して、治療のためだけに来日する外国人の問題が指摘されています。低額な自己負担で、がん治療など高額な保険給付を受けようというのです。また、国内に住む外国人労働者の保険証について、母国の家族が来日し、本人と偽って利用する「なりすまし受診」も報告されています。2019年4月から外国人労働者の受け入れを拡大するなかで、外国人の医療保険の不正利用をどうすべきかが議論されています。
■■ 日本国外の家族を除外 ■■
(1) 母国に残した家族を扶養認定対象から原則除外
(2) 日本人の家族も海外に生活拠点を移して日本に生活実態がない場合も除外検討
*年金の第3号被保険者も国内居住要件で検討
■■ 保険料を長期滞納する外国人の在留を認めない方針 ■■
(1) 健康保険に未加入のままで病院を受診し、医療費を支払わないことがないようにするため
(2) 法務省と厚生労働省が情報を共有し、保険加入を在留許可の要件として追加する方針
主に中小企業は人手不足を解消するため、外国人労働者の受け入れの拡大を待ち望んでいます。しかし、外国人労働者を受け入れるにあたっては、前号でも述べましたが様々に規制がはいります。単に安価な労働力としてみるのではなく、日本人と同じ労働者として対応することが求められます。また当然のことですが、採用の際には在留資格をきちんと確認することが必要です。